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[分享] [纯日文慎入]分享——魔法少女动画的历史与发展[已完成]

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发表于 2011-12-10 15:41 | 显示全部楼层 |阅读模式
多谢大家的宝贵意见。论文已提交。
虽然最后有点赶,很多想写的项目没能写上,不过好歹交上去了……

图片表格、参考文献和格式可能不太顺眼,是从论文上直接复制过来的。
今后有时间慢慢修正。这两天先休息一下…………

忘了说了,不要转载啊。

序章

1.日本の魔法少女アニメ
 「魔法少女アニメ」は「魔女っ子アニメ」とも呼ばれて(微妙な違いがあるが、後述)、魔法の力を持つ若い女の子が主人公になる日本アニメーションのジャンルの1つである。
 魔法少女アニメは1960年代に日本で生まれ、80年代で発展し、ジャンルとして確立してきた。そして、90年代に入り、魔法少女アニメの形態が変化し、ほかのジャンルと融合した。その後、正統派の魔法少女アニメが衰弱し、2000年代では一時復帰したものの、継続されなかった。一方、「魔法少女」のイメージは人々の中で定着し、違う分野の作品にも出現するようになる。そして、2010年代に入り、ある作品の影響で、魔法少女アニメがまた新しい話題を呼んだ。
 魔法少女アニメの本来の視聴者は主に入学前の女児や小学校から中学校までの少女である。しかし、このジャンルのアニメの変化により、その視聴者層も徐々に変化してきた。
 本稿では、魔法少女アニメというジャンルの歴史に遡って、その誕生から発展を通して、現在の魔法少女アニメの状況を分析する。特に現代変容した魔法少女アニメはどの意味を持つのか、魔法少女アニメの商業的価値はなんなのかについて、考察する。そして、今後の魔法少女アニメはどのように発展していくのかを考えて生きたいと思う。

2.魔女という概念
魔法少女という概念は日本だけのものである。西洋では「魔法を持つ女性」を魔女と呼んでいる。
魔女とは、古代ヨーロッパの俗信で、超自然的な力で人畜に害を及ぼすとされた人間、または妖術を行使する者のことである。(小口偉一・堀一郎監修 『宗教学辞典』 東京大学出版会、1973年、p.683)
英語では、魔女のことを「witch」という。その起源に関して、2つの説がある。1つは、古い英語の「wicce」という「賢い」、「知恵」を意味する言葉から生まれた。もう1つは、ヨーロッパとインド系の言葉の起源に当たる言葉のなかに、「魔術」、「呪術」を意味する「weik」という単語から生まれた。つまり、古くから魔女という概念があり、それは魔術や呪術を行使する知恵のある女のことである。(正木p8)
しかし、このような魔女は中世から近代のヨーロッパでは、悪の象徴として、徹底的に排除され、嫌悪されてきた。その時代のヨーロッパでは、キリスト教が圧倒的な力を持ち、すべてを判断する基準だった。魔女のように、キリスト教以外の知恵を持つ女性たちは、悪魔と同じとみなされて、排除され、殺されていた。それが魔女裁判や魔女狩りだった。(正木p50)
現在でも西洋の作品の中に出る魔女のイメージは昔と変わらない。黒い服を着て、三角帽子を被った老婦が箒に乗って空を飛ぶ。或いは、山の奥にあるキノコの小屋で、老婦が大きな釜でトカゲなどの材料で怪しい薬を作る。
このような設定にはちゃんとした理由がある。中世のヨーロッパでは死亡率が高く、人が長生きするのは非常に珍しいことだった。過酷の条件の中で長生きするには、体力だけではなく、知恵も必要だった(p18)。女性が箒に跨る行為は、当時では非常にはしたない行為だと考えられていた。このような禁じられた行為をする女性はキリスト教への反抗だとされた(p27)。また、キノコは毒を持つ種類もあるため、当時は魔法の薬とされていた。魔法を象徴する生き物を調合し、薬にする行為も魔女の身分に相応しいと考えられていた(p33)。
このように、現代の西洋でも、魔女の悪いイメージが根強く残っており、可愛いという印象は決してなかった。

(図1. アメリカアニメ・『トム&ジェリー』に登場する魔女 出典:カートゥーン ネットワーク『トム&ジェリー/魔女まじょバトル』)
3.日本での女児向けコンテンツと魔女
 日本では、最初の女児や少女向けのコンテンツとして、少女雑誌があった。
 日本最初の少女雑誌の創刊は明治時代に遡る。当時の少女雑誌の中心は小説であり、漫画はまだ1、2ページしかなかった。昭和28年から、手塚治虫の『リボンの騎士』が少女雑誌に連載され始めて、最初の少女漫画となった(少女漫画の世界p5)。『リボンの騎士』の中では、女の子である主人公サファイアが王子の身分で悪と戦う。このような設定は後ほどの「戦闘美少女」(後述)のジャンルの原型でもある。
 その後の数十年間、不思議な力を持つ少女が稀に出現する。『少女ブック』昭和32年7月号から連載始めた『ピンクの天使』の主人公は雲の妖精である。(p50)『ひとみ』昭和36年4月号から連載始めた『スーパーローズ』の主人公スーパーローズは宇宙人に改造され、超人的な身体能力で悪と戦う(p108)。

(図2.漫画『スーパーローズ』 出典:平凡社 別冊太陽 『子どもの昭和史・少女マンガの世界Ⅰ』 p.108)
 しかし、これらの作品の主人公はいずれも魔女でもなければ、魔法も使わない。
その理由は日本では西洋のような魔女の概念はなかったからだ。伝説や作品の中には魔力を持つ女性は登場することはあるが、彼女たちに対し比較的に寛容であり、悪いイメージを持つことはなかった。
このように、本格的に少女漫画に「魔法」という概念を取り入れたのは、昭和38年『りぼん』で連載されていた『ひみつのアッコちゃん』(赤塚不二夫)と同雑誌で昭和41年9月から連載されていた『魔法使いサニー』(横山光輝)だった。
この2つの作品の中で、初めて少女向けコンテンツで「魔法」と「魔女」の概念が出現した。その後の魔女っ子アニメに対しても重大な意味を持っている。
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:43 | 显示全部楼层
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:44 | 显示全部楼层
第二章 80年代の魔法少女アニメ

第二章 80年代の魔法少女アニメ
1.魔女っ子アニメを継承した『ミンキーモモ』
1.1葦プロの『ミンキーモモ』
 1980年代になると、魔女っ子アニメの様子が変わった。今まで魔女っ子アニメを主導してきた東映動画がオリジナル魔女っ子アニメの製作を一時中断した。代わりに、魔法少女アニメの頂点を立ったのは、葦プロダクションが製作した『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(以下、『ミンキーモモ』と省略)だった。
 『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の第1作は1982年3月18日から1983年5月26日にかけて、テレビ東京系列で放映された全63話のアニメである。主人公のモモが空に浮かんでいる夢の国フェナリナーサから、お供の犬と鳥と猿を連れ、地上にやってきた。モモは毎回事件に遭遇し、魔法の力で18歳に変身し、あらゆる職業のエキスパートになり、事件を解決する。
 今までの魔女っ子アニメと違い、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』には若手のスタッフ(オトナアニメ)が大勢参加し、自由度の高いシナリオが生まれた。作品の中には、人情ドラマや西部劇、スパイアクション、SFなどいろんなジャンルのパロディが見られる。また、普通アニメの製作はコスト抑制のため、作画枚数に制限がある。しかし、『ミンキーモモ』の監督を担当する湯山邦彦が「枚数かかってもいいから、思い切ってやれ」と指示し、「作画の暴走」とも言われるほど作画を増やした。特に変身シーンは凝っており、数回作り直すこともあった。

 1.2『ミンキーモモ』の意義
 前述した「異世界から来た先天的に魔法を使える人間」と「アイテムで変身して制限のある魔法を使う普通の人間」という2つの系統があるに対し、モモは夢の国から来たプリンセスにも関わらず、「プロの大人に変身する魔法」しか使えない。作品の中では、モモはいろんな問題を解決するために、ある職業の女性(婦人警官、看護婦、スポーツ選手、アイドルなど)に変身し、職業の特性を生かす。このような設定は、いままでの魔女っ子とは一線を画した。この設定は前述した変身シーンとあわせて、今後のアニメにも影響を及ぼした。(オトナp70)
 このような特徴は『ミンキーモモ』のテーマに関係する。『ミンキーモモ』のテーマは人間に「夢」を与えることだ。人間世界が夢を失うと、夢のフェナリナーサも消えてしまう。それを阻止するために、モモが人間界に来たのだ。しかし、「夢を与える」というテーマは作品の中の設定だけではなく、『ミンキーモモ』は視聴者である子供たちにも「夢」を与えていた。
 『ミンキーモモ』が放送された当時は、ちょうど女性が世界に進出始めた頃だった。当時の女の子からみれば、女性が職業に就くことは大きな憧れだった。モモが様々な職業の女性に変身して活躍設定は、視聴者である女児に夢を与えて、人気を博したと言える。(オトナ)
 しかし、『ミンキーモモ』はそれまでの少女向けアニメのタブーを破ってしまった。『ミンキーモモ』の最終回に当たる第46話で、モモは暴走してきたトラックに轢かれて死んでしまった。主人公が最終回で死ぬアニメは『ミンキーモモ』が初めてではない。手塚治虫の『鉄腕アトム』の最終回も、地球を救うために、アトムは太陽に飛び込んだ。しかし、アトムの自己犠牲の死と違い、モモの死は視聴者が予想外のごく日常的な死に方だった。だからこそ、モモの死は当時の女児に強烈のショックを与えた。話の最後、死んだモモがもう一度フェナリナーサに現れる。自分の夢を探すと決心し、人間の赤ちゃんに生まれ変わったというフォローがあるが、前例のないストーリーが話題を呼んだ。
 モモの死はストーリー上では、魔法のアイテムが破壊されて、魔法ができなくなった。また、モモはもともと子供のない人間界の夫婦の家に住んでいるが、その夫婦やがては子供ができ、モモの居場所がなくなる、という設定があった。しかし、現実の話では、アニメ『ミンキーモモ』は最初に52話の予定だったが、打ち切りになり、急遽に46話になってしまったからだ。『ミンキーモモ』の構成を担当する脚本家の首藤剛志が最後にモモの死を決めた。それはモモを殺す目的ではなく、モモを人間の子供になって、自分の夢を見つけるという意図が含まれている。(オトナp72)結局、もともと人間界に降りるはずのフェナリナーサが結局出現しなかった。このような結末には、魔法には限界がある、夢は自分で叶うべきだというメッセージが含まれているだろう。
 
2.ぴえろ魔法少女シリーズ
 2.1ぴえろ魔法少女シリーズとは
 80年代から90年代にかけて、女の子向けアニメとして魔法少女アニメというジャンルを確立したのはスタジオぴえろによって製作された「ぴえろ魔法少女」シリーズだった。このシリーズは『魔法の天使 クリィミーマミ』、『魔法の妖精 ペルシャ』、『魔法のスター マジカルエミ』、『魔法のアイドル パステルユーミ』、『魔法のステージ ファンシーララ』の5つの作品から構成している。5つの作品はそれぞれのストーリーは違うが、共通の設定が多かった。
 5つの作品の共通点として、「魔法のアイテムの存在」、「マスコット役の妖精がいる」、「魔法を使うことを知られてはいけない」というルール、そして日常と魔法が融合しているところだ。このような設定は以前の東映魔女っ子シリーズからの継承とも言えるし、また「ぴえろ魔法少女」を通じて、次の世代へ伝わった。
 一部例外があるが、「ぴえろ魔法少女」にはほかにも共通点がある。「魔法によって大人に変身」、「変身した身分で芸能活動を行う」、「シナリオはオリジナルである」、「主人公を演じたのは声優ではなく、本物のアイドル」という点だった。
 作品名    放送期間    放送回数    放送局    魔法のアイテム
    主人公(年齢)    変身後の主人公(年齢)    マスコット
魔法の天使
クリィミーマミ    1983年~1984年    全52回    日本テレビ    クリィミーステッキ(変身能力)
    森沢 優(10歳)    クリィミーマミ(16~17歳)    ネガ、ポジ(ネコのような妖精)
魔法の妖精
ペルシャ    1984年~1985年    全48回    日本テレビ    バトン、ペンダント(変身能力)
    速水ペルシャ(11歳)    美少女 ペルシャ(17歳)    ゲラゲラ、プリプリ、メソメソ(カッパ)
魔法のスター
マジカルエミ    1985年~1986年    全38回    日本テレビ    ハートブレス、ハートブローム(変身能力)
    香月 舞(11歳)    マジカルエミ (16歳)    トポ(妖精、モモンガに乗り移っている)
魔法のアイドル
パステルユーミ    1986年    全25回    日本テレビ    魔法のスティック(描いたものが実体化)
    花園 ユーミ(10歳)    変身しない    かき丸、ケシ丸(ぬいぐるみのような妖精)
魔法のステージ
ファンシーララ
1998年    全26回    テレビ東京    魔法のペン(描いた服を実体化させ、変身する)
    篠原 みほ(9歳)    ララ(15歳)    ピグ、モグ(恐竜の妖精)

 『魔法の天使 クリィミーマミ』の主人公森沢優は妖精を救ったお礼として1年間だけ魔法を与えられる。彼女は魔法を使って、クリィミーマミに変身し、アイドルとして活躍する。『魔法の天使 クリィミーマミ』ははじめて魔法少女ものにアイドルや芸能界要素を取り入れた作品だ。
実はちょうど80年代では、アイドル歌手や音楽番組が風潮になり、当時の女の子にとってもアイドルは憧れの対象だった。普通の女の子として振舞う森沢優と人気アイドルとして活躍クリィミーマミの「日常」と「非日常」の切り替えに変身要素を加えて、視聴者である女の子たちに感情移入させた。また、主人公を演じたのは現役の声優ではなく、デビューしたばっかりの新人アイドル太田貴子だった。劇中に使われた音楽の完成度も高く、2次元3次元問わず、大ヒットした。この作品は大人気を呼び、放送期間も数回延長した。今でも根強いファンがいて、2011年にDVD-BOXも発売されるほどだ。
『魔法の妖精 ペルシャ』は「ぴえろ魔法少女シリーズ」全体から見れば、異色の作品とも呼ばれる。まず、この作品はオリジナルではなく、『ペルシャがすき!』(青沼貴子)という漫画を原作に、魔法の要素を加えて、大幅に改編したアニメだ。主人公の速水ペルシャはアフリカ育ちの少女で、両親が住む日本へやってきた。一般の女の子と違い、ペルシャは魔法を使わなくても身体能力が優れ、100メートルを8秒で走る。「異世界からきた先天的に力を持つ少女」という設定はむしろ以前の東映魔女っ子と共通している部分がある。また、ペルシャの変身能力はクリィミーマミと違い、様々の職業のスペシャリストに変身できる。この設定も『ミンキーモモ』と共通している。また、作品の舞台は芸能界でもなければ、主人公の声優もアイドルではない。ほかの「ぴえろ魔法少女」とかなり違っている。作品の後半、主にペルシャの恋愛感情を中心に描写し、魔法は万能ではないということを表現した。
『魔法のスター マジカルエミ』は異色の『ペルシャ』から転換し、原点回帰を目指した。変身後のエミはマジシャンになり、魔法を使って手品を演じる。もちろん魔法を使う手品は、マジシャン自身の実力ではない。作品の最後にエミは自ら魔法を捨て、自分の実力で手品を演じることを決心した。作品のテーマの1つとして、魔法を否定することはこのシリーズの共通点とも言えるだろう。
『魔法のアイドル パステルユーミ』はぴえろ魔法少女シリーズでは唯一主人公が変身せず、大人にならない作品である。主人公花園ユーミは花の妖精に出会い、描いたものを実体化させる能力を与えられた。
『魔法のアイドル パステルユーミ』の後、ぴえろは11年間魔法少女アニメの製作を中止した。ぴえろ魔法少女シリーズの最終作である『魔法のステージ ファンシーララ』は80年代の魔法少女ではなく、90年代の作品に当たる。小学生の篠原みほは魔法の力でララに変身し、アイドルとして芸能界で活動する。しかし、クリィミーマミと違い、ララはいきなり成功するのではなく、地道に活動していた。本作の主人公の声優も新人アイドルを起用し、歴代のぴえろ魔法少女の慣例を継承した。しかし、90年代では、従来の伝統的な魔法少女アニメは衰退する傾向が強く(後述)、『魔法のステージ ファンシーララ』は大きな話題を呼ぶことはなかった。
2.2ぴえろ魔法少女の特徴
東映魔女っ子シリーズと比べて、ぴえろ魔法少女シリーズの大きな特徴は主人公が全員普通の女の子ということだ。そして、ある日突然魔法の国から来た妖精に出会って、変身アイテムを与えられる。妖精は大体動物やぬいぐるみの形をしていて、主人公とともに行動する。魔法の効果もかなり制限されていて、基本は大人になる能力、特定の職業に変身する能力、実体化能力しかない。
 このような設定は『ひみつのアッコちゃん』と共通する部分がある。このような主人公はもう「魔女」と呼べなくなり、「魔法を使う人間の少女」つまり「魔法少女」の言葉に相応しい。東映が作り出した魔女っ子アニメというジャンルは、80年代では、魔法少女アニメ時代に入った。
 また、ぴえろ魔法少女シリーズは東映魔女っ子シリーズと『ミンキーモモ』の一部の設定を継承し、魔法少女アニメの要素として定着させた。例えば、魔法のアイテムの存在、不思議な力を与えるマスコット、魔法で大人に変身、日常と非日常の切り替えなどである。このような要素は東映時代から原型は存在したが、それを洗練し、魔法少女の「約束ごと」として確立したのはぴえろ魔法少女シリーズだ。

3.80年代の魔法少女アニメの特徴
 80年代では、『ミンキーモモ』やぴえろ魔法少女のような有名作品が出現し、正統派の魔法少女アニメを確立した。魔法少女アニメが急速に成長し、形式が固定された。一方、ヒットの要因を分析しきれないまま、後半の魔法少女アニメはマンネリに嵌ってしまう。
 また、この時期の魔法少女アニメを製作した葦プロとぴえろのスタッフは若い男性を中心とし、彼らは今後の日本アニメ産業を支えたアニメーターに成長した。しかし、その結果、男性好みの可愛らしい女の子が表現されて、時には暴走的な作画とシナリオも見られる。その結果、魔法少女は女の子向けだけではなくなり、男性のファン(謂わば第一世代のオタク)も定着した。
 また、80年代の魔法少女アニメの特徴の1つは「魔法の否定」というテーマは作品の中に隠されたところだ。『ミンキーモモ』からぴえろ魔法少女まで、作品は最終的に「魔法は万能ではない」という結論に辿り、結局自分の力で解決するしかないと訴えた。
 やがて80年代末になると、『魔女の宅急便』の大ヒット(21億7千万円 叶精二『宮崎駿全書』p.148)を最後に、魔法少女が衰退期に入った。
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:44 | 显示全部楼层
第三章 90年代以後の魔法少女アニメ

1.伝統魔法少女アニメの衰退
 80年代末、約7年間新しい魔女っ子アニメを作っていない東映動画が新しい企画を打ち出した。それは『ひみつのアッコちゃん』(1988年~1989年、フジテレビ系、全61回)のリメイクである。東映が従来の魔女っ子アニメを意識し、旧作のヒットの要因と新世代の子供の趣向を検討し、『アッコちゃん』を現代風にアレンジした。商品展開としても、旧作のコンパクトを一新にし、いつも品切れ状態になるほど大ヒットだった。スポンサーである玩具会社タカラ(今のタカラトミー)の強い要望により、コンパクトが途中でリニューアルし、新発売された。ところが、それに対する抗議が殺到した。旧作の『アッコちゃん』のファンだった女の子が、今は母親になり、子供と一緒にアニメを見ているからだ。そこで自分の思い出である『アッコちゃん』が大人の商売道具とされることを許せなかった。後番組の『ちびまる子ちゃん』のオンエアのために、打ち切れになってしまった。
 東映動画が次に打ち出したリメイク作品は『魔法使いサリー』(1989年~1991年、テレビ朝日系、全90回)の新シリーズであった。新サリーでは、原作にはない動物のマスコットキャラと魔法アイテム(コンパクト、魔法のタクトなど)を取り入れ、ぴえろ魔法少女シリーズから確立した「約束ごと」を継承している。新『アッコちゃん』と同じ、新『サリー』が商業面では成功し、2年間わたり放送された。(大全集)
 実はこれらのリメイク作は当時のリメイクブームに影響されている。魔女っ子アニメ以外にも、『おそ松くん』、『ゲゲゲの鬼太郎』などのリメイク作品が製作されていた。それは前述のように、親には懐かしく、子供には新鮮な「親子二世代」視聴構造ができたからだ。(オトナ)
 1989年7月にアニメ映画『魔女の宅急便』(スタジオジブリ)が上映された。主人公のキキは設定上では伝統的な魔女で、古典的な外見を持っている。しかし、魔法できることはただ箒に乗って、空を飛べる程度だった。その能力を使い、キキが宅配を始めた。しかもこの能力も作品中でキキの精神的変化によって、一時失った。最後、キキが自分自身を克服し、魔法の力がよみがえった。一見伝統的な魔女っ子アニメの『魔女の宅急便』だが、実はぴえろシリーズと共通する「魔法の否定」と「自分自身の成長」の意義を持っているだろう。
 1991年、リメイクブームに乗って、『ミンキーモモ』のリメイク作も製作られて、『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢をだきしめて』だった。前作の空にあるフェナリナーサに対し、今回の夢の国は海の中にあるマリンナーサである。そこで、前作を『空モモ』、続編を『海モモ』を呼ぶようになった。リメイクとはいえ、前作の「子供が憧れる職業に変身し、事件を解決する」というコンセプトと違い、本作ではさらに魔法の比重が薄くなる。湯山監督の話によると、それは前作から9年たって、女性が職業婦人になって社会に出ることがすでに普通なことになっている。女性が職業を持って社会で活躍することは子供にとって、もう憧れの対象ではなくなった。そこで、作品の方向を「子供のままで問題解決したい」に転換し、現実に対し魔法は無力だというテーマがさらに重くなった。『海モモ』の放送終了後、2本のOVAが作られたが、作品の中ではモモは一切魔法を使わず、ただ周りの人を見守るだけになっている。(オトナ72~73)
 80年代末から90年代前期にわたり、ビジネス的には成功した作品はあったが、魔法少女アニメは新しい方向性を打ち出すことができず、リメイク作が主導となっていた。特に現実社会の複雑化により、魔法だけで問題を解決するテーマは人気を失い、魔法否定の流れになっていく。また、バブル崩壊による不況の中で、職業を持つ大人の魅力も薄くなり、子供の憧れの対象ではなくなった。伝統的な魔法少女アニメは衰退し、限界を迎える。

2.戦闘美少女のブーム
 2.1『美少女戦士セーラームーン』のブーム
 このような状況を変えたのが『美少女戦士セーラームーン』だった。
 『美少女戦士セーラームーン』(以下、『セーラームーン』と省略)は1992年からテレビ朝日系で放送された女児向けアニメだった。『セーラームーン』の原案は1991年7月、講談社の少女向け雑誌『るんるん』で読み切り掲載された武内直子の漫画『コードネームはセーラーV』である。その後、東映動画はアニメ化に備えて、5人のセーラー戦士や完成された世界観を設定し、『セーラーV 』の話を発展させた。1991年12月、同じく講談社の少女向け雑誌『なかよし』で『美少女戦士セーラームーン』のタイトルで連載し始めた。(大全集p132)
 『セーラームーン』のストーリーはこうだ。人間のエナジーと「幻の銀水晶」を奪うために、ダークキングダムが現世に復活した。区立十番中学校に通う14歳の少女・月野うさぎは黒猫ルナからもらった変身ブローチを使い、愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーンに変身し、悪の勢力に立ち向かう。その後、次々と仲間が増えて、セーラーマーキュリー、セーラーマーズ、セーラージュピター、セーラーヴィーナスとともに戦う。(大全集p26)
 結果として、『セーラームーン』は今までにない一大ブームを巻き起こした。原作を掲載していた『なかよし』が連載開始後、発行部数が2倍近くまで伸び、講談社の関連書籍や幼児雑誌も次々と増刷した。スポンサーであるバンダイも次々と新商品を開発し、爆発的に大ヒットした。当時では幼児向けの玩具からマニア対象の商品まで桁違いと言っていいほどの売れ行きを見せた。このような大ブームから、本来継続する意思がなかったバンダイと製作者側も続編の製作を決定した。結局、『セーラームーン』シリーズは5年間継続し、今でも根強いファンがいる。
 
 2.2『セーラームーン』の新要素とは
 「女の子が戦士として変身し、戦う」という「戦闘美少女」の設定は『セーラームーン』から始めたではなく、実際『キューティーハニー』からあった。しかし、『セーラームーン』には従来の魔法少女アニメにない要素が多数含まれる。
 まず、『セーラームーン』の原作は女性による少女漫画である。今までの魔法少女アニメを見ればわかるように、『サリー』や『アッコちゃん』、『エッちゃん』、『チックル』といった東映魔女っ子の原作者は全員男性だった。『キューティーハニー』に至っては、もともと男性向けの漫画だった。また、ぴえろ魔法少女シリーズも男性のスタッフ陣を中心に作り上げた作品であり、その中に男性の思考パターンが含まれている。また、少女漫画と戦闘美少女の元祖と言われる『リボンの騎士』の原作者の手塚治虫も男性である。しかし、『セーラームーン』の原作者武内直子は女性で、アニメ版のキャラクターデザインの只野和子、伊藤郁子も女性である。
 次に、『セーラームーン』は今までの魔法少女アニメや戦闘美少女ものと違い、主人公は一人ではない。「戦う女の子」という定義の「戦闘美少女」(後述)アニメでは、前述した『リボンの騎士』や『キューティーハニー』、『ラ・セーヌの星』(1975年)、『風の谷のナウシカ』(1984年)などがあったが、どの作品の主人公も最初から最後まで一人で戦っていた。また、東映魔女っ子シリーズも、ぴえろ魔法少女シリーズも、主人公ひとりだけ魔法を使い、問題を解決した。しかし、『セーラームーン』では、製作側の東映動画が大胆的に自社の男の子向けの特撮番組『スーパー戦隊』シリーズにある「戦隊」要素を取り入れ、大人数で戦うようになった(大全集p132)。この決定的な違いは今後の魔法少女アニメにも大きい影響を与えた。
 最後に、『セーラームーン』は今までにない長編シリーズ化に成功した。今までの魔法少女アニメは、『サリー』のように同じ作品として話数を増やし、2年以上放送された作品があった。また、ぴえろシリーズのように、違う世界観や主人公で趣向が近い作品を作り、シリーズとして継続させる。しかし、『セーラームーン』は世界観と主人公を維持しながら、毎年タイトルとコスチュームを一新し、追加メンバーと新しい敵を投入する。話しが連続しているから、主人公たちも当然成長し、進学もする。これも東映社の特撮番組『仮面ライダー』シリーズやほかの男の子向けのシリーズではよく見られるパターンだが、女児向けのアニメでは斬新だった。
 こうやって、『キューティーハニー』を意識した豪快なアクションシーンと繊細なキャラクターをあわせることが可能になった。また、『セーラームーン』の作品の中に含まれた「ロマンチシズム」と「恋する少女」などの要素も、このような製作者によって製作されたのだ。
 また、主人公の人数を増やすことによって、ストーリーのバリエーションも増える。バトルものにとって、仲間がいることは表現が豊富になる上、より豪華なアクションを作れる。また、商業面でも開発できる商品が増え、利益に繋がる。
 シリーズが続く度に、ストーリー上では主人公たちがパワーアップされ、コスチュームや必殺技も一新する。これは視聴者に新鮮感を与えるだけではなく、新商品も開発にも繋がる。すでに人気が出たキャラクターを利用し、新作開発のリスクを抑えた。
タイトル    放送期間    放送回数    主人公のメンバー    敵勢力
美少女戦士セーラームーン    1992年~1993年    全46話    序盤3人、のちに2人追加    ダークキングダム
美少女戦士セーラームーンR    1993年~1994年    全43話    前作の5人と新キャラちびうさが登場    魔界樹
ブラックムーン
美少女戦士セーラームーンS    1994年~1995年    全38話    ちびうさがちびムーンに変身、外部太陽系戦士登場    怪人・ダイモーン
デスバスターズ
美少女戦士セーラームーンSuper S    1995年~1996年    全39話    ペガサスなど    デッドムーン
美少女戦士セーラームーン セーラースターズ    1996年~1997年    全34話    いままでの全員登場、セーラースターズ登場    デッド・ムーンの女王
ネヘレニア

 伝統魔法少女アニメが衰退している中、従来の戦闘美少女とも、魔法少女とも違う『セーラームーン』が成功し、今後の魔法少女アニメの「約束ごと」を新しく決めた。その後、魔法少女要素を持つ戦闘美少女が続出、魔法少女アニメも新しい時代に突入した。

 2.2戦闘美少女の考察
 「戦闘美少女」とは戦う少女のこと、或いはそのジャンルの作品である。このジャンルは日本固有のものであるが、マイナーの領域に留まるものではなく、広い範囲でメディアに浸透している(精神分析p.9)。
 欧米圏の作品の中では、「戦うヒロイン」は存在するが、いずれも成熟した女性であり、少女ではない。また、彼女たちは性格も男勝り、体格も筋肉質の女性が多い。それに比べて、日本の戦う美少女はかなり異質である。『セーラームーン』のように、無垢や可憐さなどの「少女性」がほぼ完全な状態で維持されている。こうした日本型の戦闘美少女たちは、欧米型の戦う女たちと区別されなければならない(精神分析p.14)。


(図4.アメリカの戦うヒロイン・スーパーガール 出典:DVD版『Supergirl (1984)』の表紙 Watch movies http://watch-movies.ro/movie/supergirl_(1984))
 では、なぜ日本の戦闘美少女は欧米のヒロインと違うのか。実は、その違いは「美」という概念にある。日本製のアニメは女性のキャラクターに大きな瞳と小さな口、写実からかけ離れたデザインになっている。そして、その意匠を「かわいい」のアイコンとして浸透している。アニメに登場するキャラクターはデフォルメされていると同時に、理想化も伴う(作品社 石田美紀 『戦う女たち・日本映画の女性アクション』p.310)。これも第一章で述べた、『奥さまは魔女』が日本ではかわいい魔女っ子に変化した理由だと考えられる。
 実は、日本の「戦闘美少女」はアニメや漫画の領域に存在するだけではなく、特撮などにも見られる。例えば1975 年石ノ森章太郎原作のTV番組『秘密戦隊ゴレンジャー』の中に登場するモモレンジャーが紅一点として活躍する。このような系統は今後の戦隊シリーズにも継承され、すべての続編には一人ないし二人の女性戦士が登場する。また、『好き! すき!! 魔女先生』(東映)や、80年代の『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』、『美少女仮面ポワトリン』など石ノ森章太郎原作の東映不思議コメディーシリーズのような、魔法少女要素が含まれた女性が主人公になる特撮も出現した。(竹書房 『スーパーヒロイン画報―国産スーパーヒロイン30年のあゆみ』)しかし、いずれも「かわいい」を強調し、欧米のような筋肉質にはならない。また、劇中に使用されたアイテムも商品として販売され、一般な特撮や魔法少女アニメと同じビジネス形態になっている。

(図5. 日本のかわいい実写ヒロイン 出典:東映特撮BB『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』)
 『戦闘美少女の精神分析』の作者斎藤環によると、戦闘美少女には紅一点系、魔法少女系、変身少女系、チーム系、スポ根系、宝塚歌劇団系、服装倒錯系、ハンター系、同居系、ピグマリオン系、巫女系、異世界系、混合系の13種タイプに分類できる。
分類    作品例    特徴
紅一点系    サイボーグ009    スーパー戦隊シリーズ    戦隊ものに女性兵士が参加する
魔法少女系    魔法使いサリー    魔法のプリセンスミンキーモモ    魔法を使う少女
変身少女系    キューティーハニー    美少女仮面ポワトリン    変身して戦う
チーム系    キャッツアイ        集団で活躍する美少女たち
スポ根系    アタックNo.1    エースをねらえ!    女性のスポーツ選手が主人公
宝塚歌劇団系    リボンの騎士    ベルサイユのばら    男装の美少女が戦う
服装倒錯系    セーラー服と機関銃    女子プロレスブーム    女性が本来男性のポジションに就く
ハンター系    GS美神    スレイヤーズ    美少女が何かを狩る
同居系    うる星やつら    天地無用    作品の舞台が固定する、日常生活中心
ピグマリオン系    Dr.スランプ    万能文化猫娘    学習、成長要素がある
巫女系    風の谷のナウシカ    もののけ姫    特殊な使命、自然との関係
異世界系    魔法騎士レイアース    ふしぎ遊戯    主人公が異世界に召還される
混合系    トップをねらえ!    美少女戦士セーラームーン    以上の要素の融合
(表3.戦闘美少女の系列一覧表 出典:太田出版 『戦闘美少女の精神分析』 斎藤環 p.214)
 このように、斎藤氏は戦闘美少女の意義を拡大し、スポ根や魔法少女など戦闘要素薄い作品も戦闘美少女の中にある1つのタイプとして扱う。確かにスポ根アニメ・漫画には相手が存在し、未成年の少女たちは過酷な訓練によって相手に勝つという点では、ほかの戦闘美少女作品と共通している。しかし、本稿で述べたように、初期の魔法少女アニメには戦う要素や競争する要素は必ずしも存在するとは限らない。特にぴえろ魔法少女シリーズでは、女の子が変身し芸能活動や日常の問題を解決する。このような魔法少女アニメを戦闘美少女として扱うのはやや強引だろう。
 つまり、魔法少女作品と戦闘美少女作品の歴史からみれば、2つのジャンルはそれぞれ別のルーツを持っているが、発展の過程中に融合する時期もあった。広い意味での魔法少女ジャンルには、特殊のちからで変身し、戦う戦闘美少女も含まれる。また、魔法少女より範囲が広い戦闘美少女ジンルの中には、一部の魔法少女系作品も含まれると考えたほうがいいだろう。この2つのジャンルは明確な違いはあるが、かなりの部分が重なっている。

 このように、戦闘美少女は魔法少女アニメの中に重要な位置を占めている。また、『セーラームーン』の成功は魔法少女アニメの中の戦闘美少女系を確立した。「魔女っ子系」、「魔法少女系」を続いて、魔法少女アニメは「戦闘美少女系」の時代に入る。

3.その後の魔法少女アニメ
 3.1戦闘美少女アニメの流行
 『美少女戦士セーラームーン』が成功した後、同じ趣向の作品が続出した。典型的な例は、東映動画が製作した『キューティーハニー』のリメイク作、『キューティーハニーF』である。
 『キューティーハニーF』は1997年東映動画が『セーラームーン』の後番組として製作されたアニメである。この作品は『キューティーハニー』のリメイクではあるが、『セーラームーン』の視聴者を継続して視聴させるように、原作から大幅改編し、原作にはない恋愛要素や出産など女性を意識した内容を入れた。また、ライバルとして、オリジナルキャラクターのミスティーハニーが登場し、最後はキューティーハニーと協力する形になる。これも『セーラームーン』の仲間要素の影響だと考えられる。
 また、戦隊要素を取り入れた作品として、『魔法騎士レイアース』、『愛天使伝説ウェディングピーチ』、『アキハバラ電脳組』などが挙げられる。
 1994年から放送された『魔法騎士レイアース』はCLAMPの漫画を原作として、読売テレビ、東京ムービー新社が製作されたアニメである。異世界ファンタジー要素とロボット要素を取り入れ、当時流行のロールプレイングゲームの世界観を再現した。三人の主人公はそれぞれ火、水、風の魔法を習得しており、武器を使って戦う。ストーリーの発展につれて、魔神というロボットを召還し、操縦することもできる。また、不思議なマスコット役のモコナも登場し、従来の魔法少女アニメの伝統も踏まえている。(CLAMP公式ホームページ http://www.clamp-net.com/works/rayearth
 1995年から放送された『愛天使伝説ウェディングピーチ』(テレビ東京・NAS・ケイエスエス製作)のストーリーはこうだ。「聖花園学園中等部の1年生・花咲ももこは、ある日悪魔族の戦士プリュイに襲われる。しかし、天使リモーネと愛と美の女神アフロディーテにより、愛天使ウェディングピーチに変身した彼女は悪魔を排撃。親友の谷間ゆりと珠野ひなぎくを仲間に迎え、悪魔族から人々の愛と友情を守る!結婚をモチーフに、中学生たちの華麗なる戦いを描いたアニメ。(アニマックス番組紹介ページより http://www.animax.co.jp/program/NN10001148/schedule1)」この作品は『セーラームーン』の形式を完全に継承した戦隊ものの戦闘美少女アニメだった。
 1998年から放送された『アキハバラ電脳組』はTBS・葦プロダクションが製作したアニメである。この作品はSF要素を取り入れ、視聴者層もほかの作品と違い、男性向けに変化した。従来の魔法少女アニメの「約束ごと」を一部守りつつも、独自のアレンジを加えている。例えば、主人公の5人は全員普通の女の子だが、不思議なマスコット役の「電脳育成ペット」パタPiを手に入れた。パタPiが「ディーヴァ」と呼ばれる女性型ロボットに変身して敵と戦う。このディーヴァというロボットは持ち主の顔とそっくりで、彼女たちが成長した後の姿をしている。つまり、葦プロの『ミンキーモモ』やその後のぴえろ魔法少女で描かれた変身と成長が、ここで違う形で再現されたと考えられる。ちなみに、この作品が放送された翌年、ソニーがペットロボット「Aibo」を発表した。当時では、ペットロボットの構想がすでに一般大衆に浸透されたと考えられ、『アキハバラ電脳組』もこの時代背景で誕生したと考えられる。




『魔法騎士レイアース』のLD第一巻の表紙    『愛天使伝説ウェディングピーチ』の公式宣伝画像    劇場版『アキハバラ電脳組 2011年の夏休み』のポスター
(表4.戦隊もの要素を取り入れた戦闘美少女アニメの画像。従来の主人公が一人の作品より、チーム全員が主人公として、公式画像に乗せることが多くなった。)
 このように、『セーラームーン』に続いて、魔法少女アニメとしての戦闘美少女、複数の主人公が登場する魔法少女アニメが90年代では主流になってきた。

 3.2『カードキャプターさくら』ブーム
 90年代末、伝統魔法少女アニメと戦闘美少女をうまく融合した作品『カードキャプターさくら』(以下、『CCさくら』と省略)が誕生した。『CCさくら』の原作は講談社の少女漫画雑誌『なかよし』に連載されていた少女漫画である。原作者のCLAMPは前述した『魔法騎士レイアース』の作者でもある。
 アニメ版『CCさくら』の製作はアニメ会社マッドハウスが担当し、1998年から2000年に亘り、NHK衛星第2テレビ『衛星アニメ劇場』で放送された。アニメ版『CCさくら』は全70話、その後2度の劇場アニメ化も果たした。放送終了後も5回以上再放送され、今はBlu-ray化されるほど高い人気を誇る作品である。
 『CCさくら』の人気の秘密は今までの魔法少女ものの要素をバランスよく取り入れ、魅力のあるキャラクター、かわいいコスチューム、日常事件の解決、厳密な世界観設定、そしてバトル要素を加わったことにある。
 主人公の小学校4年生の木之本桜(以後、さくらと省略)は、ある日書庫から『THE CROW』というクロウカードが入った本をみつける。そこでカードの封印が解け、飛び散ってしまった。「封印の獣」ケルベロスが現れ、さくらに封印の杖を渡し、カード集めを手伝うよう依頼する。こうやって、さくらはカードキャプターとして、町内に起こる不思議な出来事を解決することになる。(オトナp.52)
 さくらは元々普通の小学生、突然マスコット役のケルベロス(劇中ケロちゃんと呼ばれる)に出会い、魔法アイテムを授けた。このような設定は80年代の魔法少女アニメと共通している。しかし、『CCさくら』の魔法の設定は斬新である。さくらは変身して自分で魔法を使うのではなく、クロウカードに封印された能力を解放し、その能力を使用する。このような設定では、さくらは変身する必要はない。そこで、魔法少女の「約束ごと」を守るために、さくらの親友の大道寺知世を登場された。
 さくらがカードキャプターであることは第2話のとき知世に知られ、知世も協力することになる。知世は興味津々で衣装や呪文、決めポーズは魔法少女の約束と語る。さらに毎回新しい手作りのコスチュームを渡し、カードの回収を撮影する。つまり、設定上変身する必要がないことを、コスチュームの変更で補ったのである。また、知世の登場は一人で戦ったさくらにとって、仲間の役を担った。理解者である知世がいるからこそ、80年代の魔法少女のように孤独で悩むこともなくなった。このように、友情の描写も『CCさくら』が成功する要因のひとつと考えられる。
 『CCさくら』の監督浅香守生によると、当時はマッドハウスがCLAMP原作の作品をいくつか作ったが、その次に魔法少女ものを作ることに決めた。ちょうど当時伝統的な魔法少女ものが途切れて、浅香氏も「今やると面白いのではないか」と考え、昔の作品を意識した。ちょうど当時NHKもBS放送を推進する動きがあり、この作品を機にBSの視聴者の増加を狙い、長期シリーズを企画した。
 また、日常部分と非日常部分のメリハリをつけて、バトルのときも全力でダイナミックに表現された。意識的に日常と非日常の対比を強調し、視聴者である子どもたちにリアルな世界を体験させることも、この作品の人気のポイントだ。(オトナp54~57)
 『CCさくら』は本来のターゲットを子どもに設定したが、キャラクターの魅力や完成度の高い世界観設定によって、男性の支持者も多数いた。特にオタクと呼ばれるマニアなアニメファンたちの人気が高く、今後のアニメ作品にも影響を及ぼした。

 4.90年代の魔法少女アニメの特徴
 90年代では、伝統的な魔法少女の創作が衰退している中で、魔法少女ものに戦隊もの要素を取り入れた「戦闘美少女」ものが流行し始めた。その特徴は魔法を使って変身し、仲間と一緒にバトルすることである。このような作品は今までの魔法少女以上に、男性のアニメファンから支持され、今後の魔法少女製作にも影響した。例えば男性向けの作品『アキハバラ電脳組』や『魔法少女プリティサミー』などが出現し、魔法少女アニメのメインターゲットが女児ではなくなる。(オトナp63)
 一方、今まで形成された魔法少女ものの「約束ごと」が広く認識され、フォーマットとして定着した。このフォーマットにあわせて作品を作るという流れも生まれた。その典型的なのは『カードキャプターさくら』である。『CCさくら』の本来の設定では、「約束ごと」を守る必要がないにも関わらず、作品の中のキャラクターによって「約束ごと」にあわせた。また、「約束ごと」を変化させ、アレンジを加える流れも出現し、この流れも今後の魔法少女アニメに大きい影響を与える。
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:44 | 显示全部楼层
第四章 魔法少女アニメの現状
1.00年代の魔法少女アニメ
 1.1「約束ごと」を利用したギャグアニメが出現
 90年代から魔法少女の「約束ごと」が定着し、広く認識された。そこで、「約束ごと」を踏まえた上でバトル要素を入れた「戦闘美少女」が流行し、数多くの魔法少女アニメが誕生した。一方、従来の「約束ごと」の内容を意図的に一部外し、アレンジする作品も多く誕生した。特にSF要素やファンタジー要素など従来男性向けの作品によく見られる要素を取り入れた作品が出現し、最初からメインターゲットをオタク層に設定した作品も現れる。
 このような流れは00年代に入ると、さらに加速した。00年代では、深夜アニメの放送本数が増え、漫画、ゲーム、ライトノベルといった原作が多くアニメされ、話題作やヒット作も多く生まれた。世間に広がった魔法少女の「約束ごと」もこれらの作品に取り入れ、ギャグアニメのネタとして使われるようになる。
 最も特徴的なのは、「邪道魔法少女」と呼ばれる作品の出現だ。「邪道魔法少女」とは伝統的な魔法少女アニメの「約束ごと」を意図的に無視したり、あるいは一部を誇張したりし、ギャグ効果を狙う作品のことである。例えばTVアニメ『The SoulTaker ~魂狩~』(2001年 タツノコプロ・タツノコVCR制作)のキャラクター中原小麦を主人公としたアニメ『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』や、「トゲ付きバット」を振り回す天使が登場するライトノベル『撲殺天使ドクロちゃん』、魔界の王女田中ぷにえが修行のために人間界にやってくる『大魔法峠』のような3大邪道魔法少女と呼ばれるアニメが出現した。
作品名    制作会社    制作年代    話数
ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて    タツノコプロ・京都アニメーション    2002年~2004年    全6巻
ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルてZ    タツノコプロ・京都アニメーション    2004年~2005年    全2巻
撲殺天使ドクロちゃん    ハルフィルムメーカー    2005年~2006年    全4巻8話
撲殺天使ドクロちゃん2    ハルフィルムメーカー    2007年    全2巻4話
大魔法峠    スタジオバルセロナ    2006年~2007年    全4巻8話
(表5.邪道魔法少女年表 出典:陽泉社 別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン p.102~104)
 この3作品はいずれもOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション、ビデオやDVDの販売、レンタルを主な販路としたアニメ作品)であり、テレビ放送されていない。3作品の特徴は既存の魔法少女アニメをパロディとした作風である。(有村悠「パロディ&ギャグの魔法少女」、『オトナアニメ』第20巻、洋泉社、2011年、54-55頁)
 『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』では、オタク向けの要素を多数取り入れ、2ちゃんねる(日本最大の電子掲示板サイト)のアスキーアート(2ちゃんねるでよく使われる文字絵、顔文字)を登場させたり、コミケ(コミックマーケットのことである。世界最大規模の同人誌即売会)で大暴れしたりなど、破天荒の内容が話題を呼んだ。(陽泉社 別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン p.102)
 『大魔法峠』の「魔界の王女田中ぷにえが修行のために人間界にやってくる」という設定は一見従来の魔法少女アニメと変わらない。しかし、作品の中ぷにえが魔法を使わず、ただの格闘技で問題を解決する。
このように魔法少女の設定を一部省略、変更し、そのギャップでギャグ効果を狙うアニメが出現し、オタクの間では大人気になる。これも魔法少女の約束ごとが高い認知度を持ち、視聴者に定着したからである。(陽泉社 別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン p.47)

 1.2 オタク向けの魔法少女アニメが出現
 一方、魔法少女アニメの「約束ごと」を守りながらも、「萌え」やSFなどオタク向けの要素を取り入れ、完全にオタク向けの魔法少女アニメも成熟してきた。
 90年代の『アキハバラ電脳組』のように、SF要素を取り入れた魔法少女アニメは当時短編でしか存在しなかったが、00年代に入り、『魔法少女リリカルなのは』のような作品が誕生し、シリーズ化に成功した。
 『魔法少女リリカルなのは』(以下、『なのは』と省略)は2004年から放送されたアニメである。アニメ制作はセブン・アークスで、独立UHF系各局で全13話を放送された。
 『なのは』の主人公高町なのはは平凡な小学三年生だが、ある日ケガしたフェレットの姿をした異世界の少年を保護したが、その少年は魔法技術の遺産を回収しに人間界にやってきた。なのはも彼に協力し、魔法少女になった。その後、敵対勢力の魔法少女フェイト・テスタロッサも登場し、なのはと戦うことになる。
 一見普通の魔法少女アニメのように見えるが、実際この作品の魔術に関して、非常に膨大な設定があり、公式サイトを使って設定を紹介するほどである(公式サイトの設定紹介ページ)。また、変身用の杖がメカニカルに変形し「デバイス」と呼ばれるものになる。魔法で行う攻撃も、ロボットアニメではよく見られるビーム砲撃のように描写され、ハイスピードな空中戦や派手なバトルを表現された。このようにオタク向けのSF要素やロボットアニメの表現を取り入れることができたのは、以前の『魔法騎士レイアース』や『魔法少女プリティサミー』といった作品の積み重ねの上にあるとも言える。(オトナp.5)
 また、この作品の商業展開も一般の魔法少女アニメと違い、変身アイテムやマスコットをモチーフとした玩具を発売されず、逆に登場人物のフィギュアや設定集、抱き枕、DVD、コンシューマゲームなどといったオタク向けの商品が発売された。商品のほかにも『なのは』は田中ゆかり(なのは役)、水樹奈々(フェイト役)など人気声優を起用し、声優による付加価値の向上も狙った。
 このように、『なのは』は大ヒットし、テレビシリーズ3作や劇場版も制作され、漫画やライトノベルなどのメディアでも同時に展開された。オタクから膨大な支持を得た『なのは』シリーズは00年代後半を代表する1つの作品となった。
 
2.子ども向け魔法少女アニメの場合
 2.1 伝統魔法少女アニメの回帰
 00年代に入り、オタク向けの魔法少女アニメが発展している一方、子ども向けの作品も広いバリエーションで展開してきた。
 戦隊もの戦闘美少女系の代表として、『東京ミュウミュウ』(ぴえろ制作、テレビ東京系2002年~2003年放送、全52話)と『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』(アクタス制作、テレビ東京系2003年~2004年放送、全91話)が挙げられる。それぞれ動物と人魚姫をモチーフとし、子どもから大人気を獲得した。
 そのほか、安野モヨコの漫画が原作の『シュガシュガルーン』(ぴえろ制作、テレビ東京系2005年~2006年放送、全51話)が放送された。『シュガシュガルーン』は魔界から人間界にやってきたふたりの少女ショコラとバニラは、次期女王候補として争うというストーリーである。この設定は『魔女っ子メグちゃん』と似ており、東映時代の魔女っ子アニメと同じジャンルになる。
 また、「普通の女の子が変身して問題解決」といった葦プロ・ぴえろ時代の魔法少女アニメも00年代で続出した。『おジャ魔女どれみ』シリーズはその代表である。
1999年、東映アニメーション(1998年、東映動画が東映アニメーションに変更)が15年ぶりにオリジナルの魔法少女アニメを制作した。そのタイトルは『おジャ魔女どれみ』(以下、『どれみ』と省略)である。その後、『どれみ』が4年間継続され、00年代初期を代表する子ども向け魔法少女アニメになる。
『どれみ』シリーズでは、小学校3年生を主人公とし、「魔法ではすべての問題を解決できない」というテーマをしっかりと踏まえ、そのほかにも「仲間との友情」や「家族との愛情」、「クラスメイトも含めた成長」など様々なテーマを中心としている。『どれみ』シリーズは4年間に亘り、アニメ4作、OVA1作、劇場版2作が制作された。全シリーズを通して、クラスメイトの家庭事情や、仲間との衝突、大人と対峙する子どもたちなどというリアルな要素と、魔女というファンタジックな要素、この2つの世界で成長する姿が丁寧に描かれていた。作品の最後に、主人公どれみが4年間の成長を経て、小学を卒業し、この作品の幕を下ろした。(オトナp.31)
『どれみ』が人気になった一番の理由は恐らくそのリアリティにあると考えられる。作品の登場するクラスメイトの一人ひとりに名前や性格、家族などの設定を与えたが、それは制作者たちが自分の小学校時代のクラスを参照にしたからだ(p39)。また、『どれみ』では子どもをターゲットとした作品の中で、普通避けるような設定も敢えて描写する。例えば、老人の介護や家庭成員の死亡、単親家族などのテーマでも、『どれみ』の中に描かれている。それは、制作の段階ではキャラクターを掘り下げていくと、どうしても話が重くならざるを得ないと判断したからである(p41)。このように、『どれみ』は子ども向けのアニメでありながら、現実性とリアリティを重視し、ターゲット層以外の人間が見ても面白い作品になっている。魔法で日常の問題を解決しつつも、魔法は万能ではないと表現し、従来の魔法少女アニメの集大成とも言えるだろう。

 2.2『どれみ』以後の魔法少女アニメ
 2003年、『どれみ』の放送が終了し、同じ時間帯に魔法要素のない『明日のナージャ』という女児向けアニメに交代する。それ以後、伝統的な魔法少女アニメが減少し始めた。前述した『シュガシュガルーン』のほかに、『ふしぎ星の☆ふたご姫』といった従来の魔法少女アニメに比重の低いバトル要素を加えた作品以外に、ほとんど存在しない。
 一方、戦闘美少女のほうでは、2004年から東映のオリジナルアニメ『プリキュア』シリーズが始まり、このジャンルを独占したといっていいほど圧倒的に成功した。『プリキュア』のライバル番組として、バトル要素やファンタジー要素を加えた魔法少女作品『おとぎ銃士赤ずきん』(マッドハウス制作、テレビ東京系2006年~2007年放送、全39話)や日常や恋愛といった伝統的な少女漫画の題材に、魔法とバトル要素を加えた『しゅごキャラ!』シリーズ(サテライト制作、テレビ東京系2007年~2010年放送、全127話)、海外のアニメを原作にし、日本風の魔法少女アニメにアレンジした『出ましたっ!パワパフガールズZ』(東映アニメーション制作、テレビ東京系2006年~2007年放送、全52話)などがある。しかし、『しゅごキャラ!』シリーズ以外の作品は一年以上継続されることはなかった。

3.『プリキュア』シリーズの市場独占
 3.1『プリキュア』シリーズの誕生
00年代後半から圧倒的な優位に立つ『プリキュア』シリーズは東映アニメーションが制作したオリジナルアニメである。2004年から1作目の『ふたりはプリキュア』から現在まで8年間継続し、2012年にはシリーズ新作『スマイルプリキュア!』を放送する予定だ。また、劇場版アニメも11作制作され、2012年の春に12作目を上映する予定だ。このように毎年新作が制作され、長く継続するシリーズは魔法少女ジャンルのみならず、アニメ界でも珍しい。
 2004年、東映アニメーションが新しい魔法少女アニメを企画し始め、女児向けアニメ未経験の鷲尾天がプロデューサーを担当し、従来の同系列作品と異なった試みをした。そこで、鷲尾氏は企画書のコンセプト欄に「女の子だって暴れたい」と書き、自分のやりたいことをやる、と腹をくくった。そこで、『ドラゴンボール』や『エアマスター』など男性向けの格闘アニメを担当した西尾大介が監督と起用され、『プリキュア』シリーズにも徒手による激しいバトルアクションを取り入れた。また、従来の魔法少女アニメと違い、主人公のコスチュームの色を白と黒をし、フリルとか短いスカートを入れてアクションをした時に格好よく、かわいい形を追求した(加藤レイズナ (2009年8月1日). “実況取材道Vol.1 鷲尾天インタビュー・Q&A”. WEBマガジン幻冬舎実況野郎B-TEAM. 幻冬舎)。その結果、「プリキュア」は女の子たちの憧れのキャラクターとして定着した。

 3.2『プリキュア』シリーズの継続
 本来半年と企画した『ふたりはプリキュア』は予想外の好評を博し、一年に延長され、その後も続編『ふたりはプリキュアMax Heart』が制作された。3年目のとき、従来の女児向けアニメの路線では、同じキャラクターで続編を制作するのが普通だが、そこで敢えて従来のやり方を避けた。実際、3年目の作品として、キャラクターや世界観を一新にし、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』が制作された。
鷲尾氏によると、それは「それではいずれ数年後に先細りになるかもしれない」からだ(ぴあMOOK 『プリキュアぴあ』 p.85)。実は、このような理由だけではなく、『プリキュア』シリーズも東映の特撮である『仮面ライダー』シリーズや、『スーパー戦隊』シリーズの形式を取り入れたからだ。
 岡田斗司夫の『オタク学入門』(2000 新潮文庫)では、『スーパー戦隊』の形式をこう説明している。「スーパー戦隊ものでは、特別の回を除いて、だいたい毎回のお話は同じようなパターンだ。」「また、年間を通しての約束ごともある」岡田氏はこれをスーパー戦隊ものの「世界」と説明し、「約束ごと」と同じ意味を持つ。また、「それぞれの作品ごとに、違う趣向を持つ」「趣向は忍者から西洋ファンタジーまで」と説明し、同じシリーズの作品に共通の約束ごとを守りつつ、趣向を変えることによって、シリーズ作品を制作していく。このように、「世界」を守りつつも、より作品としておもしろくするにはテクニックもアイデアも高度なものが要求される。(p173)
また、『スーパー戦隊』シリーズは2011年で35周年になるが、ここまで続けられたのはスポンサーの玩具会社・バンダイがシリーズの続行を望んでいるからだ。バンダイは作品の内容にも深く関与し、『スーパー戦隊』の場合は、作品の中に出現する変身アイテムや合体ロボットの製作を行う。『スーパー戦隊』シリーズは毎年2月に新シリーズに切り替わり、その後も徐々に追加メンバーや強化アイテムを作品の中に登場させ、その玩具を販売する。特に年末に、クリスマスや正月に向けて、値段の高い大型アイテムが発売される。また、「毎回のお話は同じようなパターン」にも理由がある。作品の中にある変身シーンや決めポーズ、必殺技を決めるシーンは毎回いれなくてはならない。これらのシーンには、アイテムが使用され、玩具の宣伝という役割を担っているからだ。(p177~p179)
『プリキュア』シリーズもこの『スーパー戦隊』の形式を取り入れた。特定の回数を除いて、毎回日常パートと戦闘パートがあり、変身シーンと必殺技がある。また、毎年の特定の時期に追加メンバーが参加し、強化アイテムを手に入れる。このように「世界」は同じでも、作品の「趣向」は毎年違う。こうやって、『プリキュア』シリーズは8年間継続してきた。
作品    主人公たち    敵    追加メンバー    趣向
ふたりはプリキュア    光の使者、伝説の戦士    ドツクゾーン    なし    光と闇の戦い、日常を守る
ふたりはプリキュアMax Heart    同上    同上    光の女王の命    同上
ふたりはプリキュアSplash☆Star    緑の郷を守る戦士    ダークフォール    改心した敵キャラー    精霊の力、自然をモチーフ
Yes!プリキュア5    5人の選ばれた戦士    ナイトメア    なし    夢を見つける、蝶がモチーフ
Yes!プリキュア5GoGo    同上    エターナル    青いバラの戦士    欲望と戦う、バラがモチーフ
フレッシュプリキュア!    伝説の戦士    ラビリンス    改心した敵キャラー    幸せの意味を考える
ハートキャッチプリキュア!    心の大樹を守る戦士    砂漠の使徒    クラスメイト    皆の心を守る、花がモチーフ
スイートプリキュア♪    音楽を愛する戦士    マイナーランド    改心した敵キャラー    友情を守る、音楽がモチーフ
スマイルプリキュア!    不明    不明    不明    不明
(表6.『プリキュア』シリーズの世界と趣向 出典:プリキュアぴあ)

作品    新シリーズ開始    入学シーズン    5~6月    夏休み    秋
主な内容    変身アイテム
マスコットキャラー    武器の追加    武器の追加    追加戦士の登場
新アイテム    追加戦士の登場
年末大型アイテムの登場
フレッシュプリキュア!    ピックルン、リンクルン
シフォン    キュアスティック    キュアスティック    キュアパッション登場
パッションハープ    なし
クローバーボックス
ハートキャッチプリキュア!    ココロパフューム
ココロの種
シプレ、コフレ    フラワータクト    ココロポット    キュアサンシャイン登場
シャイニータンバリン    キュアムーンライト登場
ハートキャッチミラージュ
スイートプリキュア♪    キュアモジューレ
フェアリートーン    ミラクルベルティエ    ファンタスティックベルティエ    キュアビート登場
ラブギターロッド    キュアミューズ登場
ヒーリングチェスト
(表7.近年の『プリキュア』シリーズの年間ストーリーと玩具の展開 出典:バンダイ商品カタログ http://catalog.bandai.co.jp/
90年代の『セーラームーン』は『スーパー戦隊』の「チームで戦闘する」という形式を取り入れたように、『プリキュア』シリーズは『スーパー戦隊』の構成や制作方式を取り入れた。これは、長年『仮面ライダー』シリーズや、『スーパー戦隊』シリーズを制作してきた東映とバンダイこそができたことだろう。

3.3『プリキュア』シリーズのビジネス成功
なぜ『プリキュア』シリーズは従来の魔法少女アニメより、圧倒的に成功し、市場を独占したと言えるのか。この項目はバンダイの玩具販売の角度から考察し、玩具の売り上げデータから『プリキュア』シリーズの成功を説明する。

(表8.株式会社バンダイIR・投資家情報 『2004年(平成16年)3月期中間決算説明会資料』http://www.bandainamco.co.jp/ir/ ... /04_inter_keisu.pdf
この表でわかったように、東映アニメーションが制作した作品『おジャ魔女どれみ』シリーズ1999年~2002年の玩具売り上げはそれぞれ49億円、76億円、65億円、40億円である。また、『どれみ』の後継番組『明日のナージャ』の売り上げ見込みは34億円である。一方、『スーパー戦隊』シリーズ2003年の売り上げ見込みは115億円、『仮面ライダー』は110億円である。
年度    作品    売り上げ 単位(億円)
2004年    ふたりはプリキュア    101
2005年    ふたりはプリキュアMax Heart    123
2006年    ふたりはプリキュアSplash☆Star    60
2007年    Yes!プリキュア5    105
2008年    Yes!プリキュア5GoGo    105
2009年    フレッシュプリキュア!    119
2010年    ハートキャッチプリキュア!    125
2011年    スイートプリキュア♪    110(見込み)
(表9.『プリキュア』シリーズ 玩具売り上げ情報 出典:株式会社バンダイIR・投資家情報http://www.bandainamco.co.jp/ir/presentation/index.html
このように、プリキュアシリーズは3作目の『Splash☆Star』を除けば、すべての作品は100億円以上の売り上げを記録し、『スーパー戦隊』や『仮面ライダー』に相当する。また、同じバンダイがスポンサーの魔法少女作品『ふしぎ星の☆ふたご姫』の2005年売り上げ計画は20億円である(2005年(平成17年)3月期 決算説明会資料)。以前の『どれみ』シリーズや『明日のナージャ』、同時期の『ふしぎ星の☆ふたご姫』と比べて、『プリキュア』シリーズのほうが遥かに高い売り上げを確保していることがわかる。
『プリキュア』シリーズを同じ時期の競合他社の女児向け玩具の売り上げと比較してみる。株式会社タカラトミーのIR・投資家情報『2011年(平成23年)3月期』決算説明会資料(http://www.takaratomy.co.jp/ir/f ... /11_setsumei_03.pdf)によれば、タカラトミーの女児向け玩具「リカちゃん」2010年の売り上げ実績は24億円、2011年の売り上げ実績は30億円である。また、女児向けアニメ『きらりんレボリューション』のキャラクター玩具の2007年の売り上げは15億円、2008年は14億円である。
 以上のデータから、『プリキュア』シリーズはビジネス面においては以前の魔法少女アニメや同時期の魔法少女アニメ、そして同時期の他社の女児コンテンツより約数倍の売り上げを維持し、00年代後半の女児向けコンテンツにおいては、絶対的優位に立っていることがわかる。

 3.4『プリキュア』が成功の理由
 00年代後半、デフレによる不況に加え、少子化問題を抱える玩具業界が苦戦している(株式会社バンダイIR・投資家情報事業等のリスクhttp://www.bandainamco.co.jp/ir/manage/risk.html)。その中、『プリキュア』シリーズが成功した理由を考えてみたい。
 先述した『プリキュア』のプロデューサー鷲尾氏は幼児世代には男女の区別なく体を動かし遊びたいと考え、「女の子だって暴れたい」をコンセプトにして『プリキュア』を生み出した。しかし、実は『プリキュア』もマーケティング・リサーチをきちんと実施している。例えば、事前に女の子の好きな職業や、好きなカラー、これまでどのようなものが女の子に好まれてきたのかを調べ、分析した。(大ヒット「プリキュア」に学ぶ 子どもマーケット攻略法 - PRESIDENT - プレジデント)その結果は先述したシリーズの「趣向」に反映され、作品のモチーフとして取り入れる。『スイートプリキュア♪』の主人公の一人はケーキ屋、『ハートキャッチプリキュア!』の主人公の一人は花屋、『フレッシュプリキュア!』の主人公の夢はダンサーになるという設定も、近年の小学校1年生がなりたい職業の前3位と完全に一致している(2011年版 新小学1年生の「将来、就きたい職業」http://www.kuraray.co.jp/enquete/occupation/2011/girls.html)。
 また、『プリキュア』シリーズの最大の特徴の徒手攻撃といっても、暴力描写を強調するという意味ではない。作品の中に、顔面や腹部を殴ったり殴られたりというシーンは一切出現せず、ダメージの描写も「ぶっ飛ばされ、壁にぶつかって壊れる」のように女児が真似できないように工夫している(オトナp.44)。このような安全に対する配慮も親が安心してアニメを見させるポイントだと考えられる。
 また、『プリキュア』シリーズの玩具の製作傾向として、本物志向が挙げられる。近年の『プリキュア』シリーズの玩具のモチーフとなっているものを見ると、携帯電話、香水、宝石箱、ピアノ、パソコンなどがある。いずれも子どもが憧れの対象だが、本物は高価で子どもには渡せない。そこで、親がおもちゃのアイテムを購入する。また、購買意思決定をする人は主に母親である。母親が玩具を選択し、かわいいものを子どもに購入するので、母親の視点から製作を企画することも重要である。例えば、男児向けのコンテンツだと、敵のキャラクターの玩具が発売されることはよくあるが、女児ではそうはいかない。女児の健全に育てたいと考えるので、製作側もそれに相応しい商品を開発しなければならない。(大ヒット「プリキュア」に学ぶ 子どもマーケット攻略法 - PRESIDENT - プレジデント http://www.president.co.jp/pre/b ... 0100830/15981/15986
 
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:45 | 显示全部楼层
接上文,第四章

4.『魔法少女まどか☆マギカ』の成功と意義
 4.1 2011年最も話題になったアニメ
 00年代後半に入り、魔法少女アニメの本数が減少してきた。その中、『魔法少女まどか☆マギカ』の登場によって魔法少女アニメが再び話題を呼んだ。『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、『まどか』と省略)はアニメ会社シャフトに制作され、2011年1月に毎日放送やTBS系で放送され始めた。
以前『魔法少女リリカルなのは』を制作した監督・新房昭之は「今までになかった新しい魔法少女が出来るのではないでしょうか」とコメントし、本作を企画した 。また、シリーズ構成および全話の脚本を、ニトロプラス所属の虚淵玄が担当し、キャラクター原案を漫画家の蒼樹うめが担当した。ダークでシリアスな物語に定評のある虚淵玄とほのぼのとした絵が人気の蒼樹うめの組み合わせは、放送前から視聴者の話題を呼んだ 。
 『まどか』のストーリーはこうだ。「幸せな家族に囲まれた普通の少女・まどかが、転校生のほむらに厳しいまなざしを向けられ、意味深な言葉を投げかけられる場面から始まる。そしてまどかは、ほむらが追いまわす謎の生き物を助け、不思議な空間に迷い込んでしまい何者かに襲われるが、一人の魔法少女マミに救われる。マミから魔法少女になることを提案されたまどかは、一時その気になりかけるが、マミの予想もしない結末にショックを受ける。だが、まどかの親友さやかは、願いをかなえるために魔法少女になってしまう。望みをかなえ、強大な力を持つ魔法少女には、ある秘密が隠されていた。」
 このように、一見普通のかわいらしい魔法少女アニメに見える『まどか』は第3話マミの悲惨な死をきっかけに、ストーリーが展開すればするほどシリアスでダークな話になっていく。虚淵氏の脚本による「先を早く知りたい」という魅力も作品の中で十分発揮できた 。本作は12話の予定だが、第9話が放送したあと、東北地方太平洋沖地震の影響で、最終回を含む2011年3月11日以降の放送は一時休止となり、後日になって残りの3話を一挙放送という形態で放送された。
最終回の特別放送は、深夜3時台にかかわらず2.3%(関西地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率をマークし、27日発売のブルーレイディスクも予約段階でランキング上位を独占しており、ヒットが確実視されている 。実際6月1日発表されたオリコンのブルーレイディスク(BD)週間ランキング(6日付)によると、テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』2巻が約5万4000枚を売り上げ、同作品が持つテレビアニメ史上最高の初週販売記録(1巻の約5万3000枚)を更新した 。
 『まどか』の放送が終わった現在でも、話題が続いている。2011年11月10日、公式ウェブサイト及び『月刊ニュータイプ』2011年12月号において、本作の映画化が発表された。テレビシリーズの総集編前後編と完全新作の全3作品の製作を予定している。また、2011年11月25日には「魔法少女まどか☆マギカ シークレットプロジェクト」というウェブサイトが開設、さらなる新展開を告知することを予告している 。また、自由国民社出版の『現代用語の基礎知識 2012年版 [ムック]』の中では、インターネットで使われる『まどか』のキャラクターマミの死を形容する流行語を収録、『まどか』の影響力が伺える。

(図8. 「マミる」は現代用語の基礎知識に収録された 出典:自由国民社出版の『現代用語の基礎知識 2012年版 [ムック]』 p.1163)

 4.2『まどか』が成功した理由
 『まどか』が成功した理由は、魔法少女という既成概念を利用し、視聴者に意外性を与えたところだと考えられる。実は、作品が発表された段階では、シナリオ構成・脚本は虚淵玄であることを伏せ、ミスリードを狙い、視聴者にサプライズを与える予定だった 。スタッフの情報は放送開始後に気づかれ、サプライズの効果が薄めたが、『まどか』が一気にネット上の話題を呼んだ。
 視聴者が最初に普通の魔法少女アニメを思わせて、衝撃な展開で意外性を狙うことがきでたのは、魔法少女アニメのフォーマットが視聴者に定着したからだ。『まどか』は形式上従来の魔法少女アニメと同じである。マスコット役のふしぎな生き物「キュゥべえ」はかわいい見た目と仕草も持ち、主人公たちに願いを叶える代わりに魔法少女になるように誘う。先輩魔法少女のマミも魔法のアイテム・ソウルジェムを使ってかっこよく変身し、魔女という敵と戦う。このような設定はほかの魔法少女アニメの「約束ごと」と共通しており、なんの説明がなくても視聴者が理解できる。しかし、視聴者が従来の魔法少女アニメの「約束ごと」の理解の逆手にとって、それぞれの約束ごとにより深い設定を与えた。
 「願いが叶えると同時に、絶望ももたらし、バランスをとる」、「ソウルジェムは魂の容器、魔法少女になった人間の体はただの抜け殻」、「魔法少女が力を使ったり、絶望が溜まったりすると、ソウルジェムが濁る」、「ソウルジェムが真っ黒になったら、魔法少女が魔女に変化する」、「キュゥべえの正体は魔法少女の絶望をエネルギーとし、宇宙の寿命を延ばそうとする地球外生命体・インキュベーターである。」このように、魔法少女の約束ごとにSF要素とダークファンタジーの形式を与えて、深く掘り下げ独自に解釈する。
 このような視聴者の予想を裏切ることによって、意外性を生み出した。前述した「邪道魔法少女アニメ」と同様に、『まどか』は魔法少女の約束ごとを違う方向で解釈し、従来の作品とのギャップで視聴者に新鮮感を与えた。

5.00年代の魔法少女アニメの特徴
 00年代の魔法少女アニメの特徴としては、スタンダードのような伝統系から、ギャグやバトルといった要素を加えて派生した様々な新しい系統が誕生したことである。
 90年代以後、魔法少女アニメの約束ごとが定着した。その既得概念を利用したアニメが00年代に出現した。典型的な例は「邪道魔法少女」シリーズの作品であり、従来の魔法少女の約束ごとをギャグのネタとしている。また、魔法少女アニメをほかのジャンルの要素と組み合わせ、オタク層向けに作られた作品が大量出現した。『なのは』シリーズや『ストライクウィッチーズ』(島田フミカネ & Projekt kagonish原作、GONZOアニメ制作)のような深夜アニメにも魔法少女の姿が見られるようになる。
 一方、子ども向けの魔法少女アニメとしては、00年代前半では伝統的な作品が多数出現し、『どれみ』や『東京ミュウミュウ』、『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』シリーズなどが挙げられる。しかし、00年代後半になると、東映アニメーションとバンダイが共同制作した『プリキュア』シリーズが女児市場を独占し、圧倒的な優位に立つ。その中に、子ども向けの魔法少女アニメの制作が減速したが、それでも『シュガシュガルーン』、『ふしぎ星の☆ふたご姫』、『しゅごキャラ!』、『ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ』(テレビ東京、テレコム・アニメーションフィルム制作)などの作品が注目された。特にアーケードカードゲームが原作の『ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ』の設定は小学生が魔法の力で大人になり、芸能活動を行う。この点においては、ぴえろ魔法少女シリーズと共通している。
 また、2011年に放送された『魔法少女まどか☆マギカ』は、従来の魔法少女アニメの形式を踏まえつつ、シリアスな演出と意外性のあるシナリオで大ブームを呼び、魔法少女アニメがさらに広く注目された。
このように、従来の作品を土台に、新しい魔法少女アニメが生まれ、魔法少女アニメが多様性を持つ時代に入った 。
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发表于 2011-12-10 15:45 | 显示全部楼层
老师你学什么的.....
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:45 | 显示全部楼层
第五章 魔法少女アニメの符号化と定義
1.符号化された魔法少女アニメ
 1.1魔法少女アニメ以外の作品での魔法少女パロディ
 魔法少女アニメの約束ごとを利用し、魔法少女アニメをパロディ要素があるギャグアニメにする「邪道魔法少女」はすでに述べた。一方、作品自体は魔法少女アニメではないにも関わらず、劇中劇として、魔法少女を出現させる作品がある。これらの作品はわざわざ劇中劇にオープンニングテーマを作ったり、コスチュームをデザインしたり、凝った設定を与える。そもそも、「邪道魔法少女」の一作目『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』も、本来劇中劇からスピンオフして、独立した作品である。
劇中劇の名前    本編の名前    作中での位置づけ、登場の経緯など
魔女っ娘ミラクるん    ゆるゆり    本編では人気アニメ。作中で同人誌も作られる。
ロリッ子キューティー    かんなぎ    主人公が毎週見ているアニメ。パロディ満載の作品。
星くず☆うぃっちメルル    俺の妹がこんなに可愛いわけがない    設定では夕方に放送される子ども魔法少女アニメ。作中では、オタクにも人気な作品。
イチゴの戦士ストロベリーマジック    よんでますよ、アザゼルさん。    主人公が通う大学のオタクサークルで人気な作品。主人公自身もコスプレをした。
魔砲少女四号ちゃん    成恵の世界    主人公が大ファンのアニメ。
ドジっ娘アキちゃん    乃木坂春香の秘密    主人公などオタクに人気な深夜アニメ
(表11.近年の劇中劇と作品本編の例 参考資料:日詰明嘉(2011)『別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン』(洋泉社)p92~94)
  これらの作品はほとんど本編とは直接な関係にはないにも関わらず、従来の魔法少女アニメの約束ごとを踏まえており、丁寧に設定されている。また、この中にはギャグとして捉える作品もあるが、前述の「邪道魔法少女」と同様に、約束ごとを誇張したり意図的に違反したりすることによって笑いの効果をもたらす。
           
『魔女っ娘ミラクるん』テーマソングCD(実際発売された)    『星くず☆うぃっちメルル』のDVDが作中に登場するシーン     『イチゴの戦士ストロベリーマジック』のオープンニング映像のシーン
(表12. 劇中劇に登場する魔法少女)
 
 1.2この現象の意味
これらの劇中劇の魔法少女の設定も伝統的な魔法少女と同じように、「杖などの魔法アイテムを持つ」、「マスコット役のふしぎな生き物が存在する」、「変身後髪型や色が変わる」などの要素も有している。その一部はバトル要素や、『セーラームーン』から確立した「戦隊もの」要素を取り入れた作品もある。また、劇中劇に登場するデザインを見ると、共通点も多い。ピンク色のスカート、大きなリボン、フリルがたくさん付いたコスチューム、星やハート型の装飾など、いかにも女の子が好きそうな要素が含んでいる。特に『星くず☆うぃっちメルル』が持っている魔法アイテムは本当に発売されている魔法少女アニメの玩具としても違和感がない。
 このようなことができたのは、ただ形式上の約束ごとの確立だけではない。近年魔法少女アニメの多様化により、より多くの人が魔法少女アニメを認識してきた。そこで、このようなパロディ作品はより細部までのトレースが可能になった。つまり、「ピンク色」、「大きなリボン」、「星やハート」、「フリル」などの符号は魔法少女と結びつき、広く認識されるようになった。
 例として挙げられたこれらの作品にはほかにも共通点がある。それは、本編の中では、深夜アニメであれ、夕方の子ども向けアニメであれ、全部オタクに人気があるところだ。つまり、これは一般人から見ると、本来視聴者層を子ども、とりわけ女児に設定した魔法少女アニメはオタクにも人気があるということを反映している。
 実は、1982年頃、アニメファンやマンガファンの間で、ロリコンブームが盛り上がった 。アニメ雑誌『アニメージュ』の1982年5月号では、「ここまできた『ロリコン』ブーム。その最前線を追う! 」をタイトルに、アニメファンの病気として分析していた。前述したように、『ミンキーモモ』の出現は第1世代のオタクに人気になり、モモは当時のロリコンブームの中心人物となった 。90年代に入り、『セーラームーン』や『CCさくら』がさらに魔法少女アニメをオタクの間に浸透させた。00年代になると、本格的なオタク向け魔法少女アニメが制作されたのも、魔法少女アニメがオタクには十分な人気を持ち、視聴者層をオタクだけに絞っても、作品が商業的に成り立つと判断したからだと考えられる。
 このような魔法少女アニメ以外のアニメに、劇中劇として登場する魔法少女アニメは、一般人の認識の中の魔法少女像を反映している。特に近年、魔法少女アニメの多様化の中で、魔法少女アニメは約束ごとだけではなく、より細部なで符号化され、ストックキャラクター として認識されるようになった。また、「魔法少女アニメは子どもとオタク向けのジャンル」という認識が定着されつつある。

2.魔法少女アニメの定義と分類
 2.1「魔女っ子」と「魔法少女」の定義と関係
宗教学者の正木晃は魔女と関連する作品を宗教的視点で見る著作『魔法と猫と魔女の秘密 魔女の宅急便にのせて』(2003 春秋社)の中で、すべての魔法少女アニメを「魔女っ子アニメ」と呼んでいる。また、2011年の魔法少女ブームに合わせて出版された『別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン』(2011 洋泉社)の中では、このような作品を全部「魔法少女アニメ」で統一している。さらに、90年代以前の魔法少女を紹介する『動画王 Vol.02 スーパー魔女っ子大戦』 の中では、「魔女っ子、または魔法少女とも呼ばれる」と、2つの名称を混同している。
東映動画が60年代に「魔女っ子アニメ」という新しいアニメジャンルを作り、それをシリーズとして10数年継続させた。その後、80年代ではぴえろスタジオが「ぴえろ魔法少女」といったシリーズ作を制作した。「魔女っ子」と「魔法少女」は二つの会社がそれぞれの作品に付けた名称だが、その中に違いがある。
「魔女っ子」を字面の意味で理解すると、「幼い魔女」の意味となる。また、「魔法少女」は「魔法を使う女の子」の意味になる。前述した通り、魔法少女には「異世界からやってきた、先天的に魔法を持つ」タイプと、「普通の女の子が突然魔法を与えたれる」タイプがある。東映の魔女っ子アニメシリーズのほとんどは前者で、ぴえろ魔法少女シリーズは後者に当たる。
つまり、魔女っ子アニメというのは、主人公が異世界からやってきた「小さい魔女」のことであり、先天的に魔法を使用できる。一方、普通の少女が突然魔法を授ける場合は、魔女と呼べず、一般的に「魔法少女」と呼ぶ。また、魔法を使う少女であれば、先天的な魔女っ子も含まれる。つまり、「魔法少女」という概念は「魔女っ子」より広いと考えられる。魔法を使って、バトルを行う場合は、「戦闘美少女」とも分類できるが、「魔法を使う少女」という点では、「魔法少女」に属す 。
 
 また、「魔女っ子」と区別するために、魔女っ子以外の作品を魔法少女と呼ぶこともある。つまり、「普通の女の子が突然魔法を与えたれる」タイプだけを「魔法少女」と呼ぶ場合だ。この場合の「魔法少女」は本当の意味の魔法少女より範囲が狭い。そのため、「普通の女の子が突然魔法を与えたれる」タイプだけを指す「魔法少女」を「狭義魔法少女」と名づけたい。「魔女っ子」と「狭義魔法少女」を併せて、その全体を指す「魔法少女」を「広義魔法少女」と名づけたい。

 2.2「魔女っ子」と「魔法少女」の違い
魔女っ子と魔法少女はほかにも違いがある。
例えば、魔女っ子アニメの中の魔法の効果は非限定的と描写されることが多い。『サリー』や『メグちゃん』のような魔女っ子は魔法を使って、ものを変化させたり、移動させたり、自分が変身したり、空を飛んだりすることができる。一方、魔女っ子以外の魔法少女たちが使っている魔法は、その効果が限定されることが多い。『ミンキーモモ』や『クリィミーマミ』の中の魔法は大人になる効果しかない。特に『クリィミーマミ』をはじめとするぴえろ魔法少女シリーズは魔法を使って芸能活動を行う。また、『セーラームーン』以後の戦闘美少女は魔法を使って変身し、戦闘能力を行使する。
 もう1つの違いは、日常と非日常の関係にある。魔法少女といっても、普段は人間世界で暮らし、日常生活を送る。また、魔法が使えることは非日常と捉えることができる。東映魔女っ子シリーズのコンセプトの1つとしては、「日常にある非日常」が挙げられ 、つまり普段の生活に魔法の力を加えて、そのギャップによってストーリーを推進する。
 一方、狭義魔法少女アニメは「日常と非日常の切り替え」を重視する。魔法の使用に制限があるからこそ、いつでも日常を干渉することができない。魔法少女たちは普通の日常生活を送り、そこで何らかの問題に遭遇する。問題を解決するために、一時的魔法を使う。魔法を使ったあと、問題が解決し、魔法少女が普段の生活に戻る。このように、魔法は常に使うことができないため、日常と非日常の区別も明確である。それを切り替えるために、変身も必要になる。戦闘美少女もこれに該当する。一方、魔女っ子はいつでも魔法を使えるから、変身の必要性がない。
 このように、魔女っ子と魔法少女は設定の違いによって、ストーリーを推進する方式も違う。そのため、日常と非日常の関係も変わる。
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:45 | 显示全部楼层
終章 魔法少女アニメの将来性とこれからの課題
1.近年放送した女児向けアニメ
 近年、魔法少女の定義から見て、魔法少女ではない女児向けアニメも優秀な作品が制作されている。ここで、いくつの作品を例として挙げる。
 2011年4月から放送中の『プリティーリズム・オーロラドリーム』はアーケードゲーム『プリティーリズム』を原作とするアニメである。主人公の春音あいらは中学2年生、彼女が「ダンススケート」「おしゃれコーデ」「歌」の三要素を組み合わせた新形態の競技・プリズムショーに参加し、ほかの仲間2人と一緒にユニットとして芸能活動を行う。注目すべきなのは、全員それぞれマスコット役の動物が付いている。また、ステージに登るときに、プリズムストーンというアイテムを使って、ふしぎな空間で一瞬で着替える。プリズムショーの最後に、必殺技を披露するように、常人の運動能力を遥かに超える「プリズムジャンプ」を繰り出す。主人公たちは魔法を使わないものの、それ以外の設定は魔法少女アニメの約束ごとを忠実に守っている。特に以上の演出は毎回の放送に含まれ、『プリキュア』の「日常→変身→戦闘(ダンス)→必殺技→問題解決」のような形式と一致している。実は、『プリティーリズム』のシナリオ構成担当の赤尾でこは、2010年までに『プリキュア』の脚本も担当していた。だからこそこのような構成ができるだろう。
 同じ2011年4月から放送開始の『ジュエルペット サンシャイン』は、サンリオとセガトイズによるキャラクター、ジュエルペットのアニメ版の第3シリーズである。前作の『ジュエルペット てぃんくる☆』は伝統的な魔法少女アニメに対し、『ジュエルペット サンシャイン』はギャグ色の強いドタバタドラマである。前作と違って、『ジュエルペット サンシャイン』ではふしぎなマスコット・ジュエルペットが登場するが、人間キャラーとはただのクラスメイト関係で、人間は魔法を使えない。話もジュエルペットを中心に展開していく。
 2009年から2010年まで放送された『夢色パティシエール』は、松本夏実による漫画を原作に、制作されたアニメである。主人公の天野いちごは一流ティシエールを目指して、聖マリー学園に入学したが、そこで彼女と仲間たちはスイーツ精霊と出会い、一緒にティシエールの修行を始める。この作品の中では、人間は魔法を一切使えず、完全に自分の努力で成長していく。マスコット役のスイーツ精霊たちは、ただアドバイスを出すだけの存在である。
 このように、現在の魔法少女以外のアニメも、従来の魔法少女アニメの設定の一部を参照している。これらの作品は魔法少女アニメの約束ごとの一部を省略し、作品に合わせてアレンジしている。魔法は必ずしも必要な要素ではなくなり、ファンタジー要素だけが残るようになった。これらの作品は、魔法少女の変形として認識することができるだろう。

2.魔法少女アニメ熱は冷めるか
 2011年は『魔法少女まどか☆マギカ』の人気により、魔法少女アニメへの関心はまた高まった。では、この魔法少女ブームは冷めるだろうか。
 子ども向けでは、『プリキュア』の独占により、作品数が減少したが、その中でも『おジャ魔女どれみ』の新しいライトノベル『おジャ魔女どれみ 16』 が発売された。この作品は『どれみ』の続編に当たり、原作の主人公が16歳になったときのストーリーが書かれている。また、『プリキュア』シリーズも第9作目のテレビアニメを発表され、さらに2012年の春に12作目の映画が上映される 。この映画では、今までのプリキュアたちと新しいプリキュアが全員集合の形式で共演する。
 オタク向けアニメでは、『まどか』は劇場版アニメを発表するほか、スピンオフの漫画版も数作同時に連載されている。『魔法少女まどか☆マギカ』の漫画版のほかには、『魔法少女おりこ☆マギカ』『魔法少女かずみ☆マギカ』などの作品は同じ世界観にいるほかの魔法少女の話として注目されている。
 また、伝統的な魔法少女アニメ『ひみつのアッコちゃん』実写映画化が決まり、時代背景を現代にした実写版『ひみつのアッコちゃん』は新しい感覚を視聴者に与えるだろう。
 このように、2012年も魔法少女が新しく話題を呼ぶだろう。

3.将来の魔法少女アニメの予想
 項目1で述べたように、女児向けアニメの制作では、魔法少女アニメの一部の設定を省略し、日常にちょっとしたファンタジー要素を入れた作品が主流になる傾向がある。
 また、オタク向けのアニメは魔法少女アニメのフォーマットを利用しつつ、さらにほかの人気ジャンルの要素を取り入れ、より多様化になると予想できる。
 現在放送されているアニメ作品のバリエーションや題材が豊富になっている。これから従来の魔法少女アニメの形式をそのまま使用することで、成功を狙うのは困難になるだろう。

4.これからの課題
 魔法アニメの変身要素は『キューティーハニー』で考案され、『ミンキーモモ』やその後のぴえろ魔法少女シリーズによって確立され、定着させた。
 正木晃が『魔法と猫と魔女の秘密 魔女の宅急便にのせて』の中で、変身要素は視聴者の変身願望に合わせたと述べた 。しかし、実際『キューティーハニー』の原作は男性向けの漫画だった。『ミンキーモモ』などの制作者も男性を中心としている。このような状況で、女児の変身願望はどれほど考慮されたのか。そもそも、最初の少女漫画と言われる『リボンの騎士』、最初の魔女っ子漫画『魔法使いサリー』、『ひみつのアッコちゃん』の原作者はすべて男性である。なぜ男性による作品が女児に人気があり、1つのジャンルを確立した重要な作品になれるのか。
 また、日本の魔法少女アニメは世界中でも人気があり、特に『セーラームーン』は世界中いろんな国で放送され、海外でも大人気な作品となっている。しかし、文化の差によって、海外の視聴者はこれらの魔法少女作品を視聴するとき、違う理解をするだろう。特に海外では、魔女は悪いイメージを持っており、戦闘美少女作品も存在しない。
同じ作品のリメイクも、日本と海外が違う形式を取る。例えば、Craig McCracken原作のアメリカアニメ『パワーパフガール』の設定では、科学者が実験の中で、3人の女の子を作り、彼女たちがスーパーパワーを持つヒロインになる 。しかし、日本リメイク版の『出ましたっ!パワパフガールズZ』では、3人の普通の女の子が科学で作られた変身アイテムを渡され、アイテムを使って変身して、悪と戦う。「先天的な力」が「普通の人間がアイテムを使って力を手に入れる」に変更された。このような違いが生じたのはいったいなんなのか。
以上の課題は今後の研究対象にしたいと考えている。

5.おわりに
最後に、ここで述べてきた各章の要約と、全体を総括した結論を示す。
 序章では、魔女という概念について、日本と海外の認識の違いを述べ、さらに日本の魔法少女アニメが成立する前に、少女漫画の状況について論じた。
 第一章では、アメリカドラマ『奥さまは魔女』が日本で上映する際に、日本人に与える影響と、日本最初の魔法少女アニメの誕生について論じた。特に、東映動画の「魔女っ子」アニメについて、その特徴を分析した。
 第二章では、東映動画の「魔女っ子」アニメ以後、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』やぴえろ魔法少女シリーズが如何に魔法少女の形式を定着させたのかを論じ、80年代の魔法少女アニメの特徴を分析した。
 第三章では、90年代に入り、魔法少女要素を持つ戦闘美少女アニメの増加と、戦闘美少女について考察した。また、90年代に急増した魔法少女アニメと戦闘美少女アニメについて、その特徴と理由を分析した。
 第四章では、00年代の魔法少女アニメの多様化について分析し、『プリキュア』シリーズと『魔法少女 まどか☆マギカ』が成功した理由を考察した。『プリキュア』が『スーパー戦隊』のように固定した形式と変化する趣向を持ち、商業的に成功している。『まどか』も今までの魔法少女アニメの常識を転覆し、意外性で話題を呼んだ。
 第五章では、世間では魔法少女の特徴を如何に認識し、それを符号化したかを論じた。また、魔法少女アニメの定義や「魔女っ子」と「魔法少女」の違いについて考察し、新しい分類法の提起に試みた。
 終章では、現在放送中の作品から分析し、将来魔法少女アニメの形態について予測した。また、問題提起として、変身願望と作者の性別の関係や、魔法少女アニメが海外での認識について、今後の研究対象を想定した。
 魔法少女アニメは日本でしかないジャンルとして、数十年に亘り広く認識され、約束ごとなどを定着した。その後、約束ごとの使い方によって、多様な作品が制作された。また、一般的にいう「魔法少女」は実は狭義魔法少女と定義でき、「魔女っ子」と合わせて、「広義魔法少女」アニメを構成した。また、魔法少女は戦闘美少女との間、それぞれ明確した違いがあるが、両者の共通点も多数存在する。図7で示したのように、両者は大部分で重なっている。
 魔法少女アニメの約束ごとがアニメの常識になり、逆にそれを利用して意外性を狙う作品が出現する。一方、魔法少女アニメの人気な要素だけ採用し、不要な要素を省略するアニメも出現する。このような作品は魔法少女アニメの変形として認識することができる。今後の魔法少女アニメの多様性がさらに期待できるだろう。

参考文献:

小口偉一・堀一郎監修(1973)『宗教学辞典』(東京大学出版会)

正木晃(2003)『魔法と猫と魔女の秘密 魔女の宅急便にのせて』(春秋社)

別冊太陽(1991)『子どもの昭和史・少女マンガの世界Ⅰ』(平凡社)

別冊太陽(1991) 『子どもの昭和史・横山光輝マンガ大全』(平凡社)

㈱BANDAI(1993)『魔女っ子大全集 東映動画篇』

多根清史(2011)『別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン』(洋泉社)

斎藤環(2000)『戦闘美少女の精神分析』(太田出版)

石田美紀(2009)『戦う女たち・日本映画の女性アクション』(作品社)

叶精二(2006)『宮崎駿全書』(フィルムアート社)

有村悠(2011)『別冊オトナアニメ 魔法少女マガジン』(洋泉社)

加藤レイズナ(2011)『プリキュアぴあ』(ぴあMOOK)

岡田斗司夫(2000)『オタク学入門』(新潮文庫)

山川賢一(2011)成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論(キネマ旬報社)

徳間書店『アニメージュ』1982年5月号

キネマ旬報別冊 7/14号(1997)『動画王 Vol.02 スーパー魔女っ子大戦』(キネマ旬報社)

栗山緑(2011)『おジャ魔女どれみ 16』(講談社・ラノベ文庫)

『かわいい魔女ジニー』ファンサイト<http://www2.famille.ne.jp/~choko-h/jeannie/jeannie.html>(2011年12月13日アクセス)

株式会社バンダイIR・投資家情報 『2004年(平成16年)3月期中間決算説明会資料』<http://www.bandainamco.co.jp/ir/ ... /04_inter_keisu.pdf>(2011年12月13日アクセス)

公式サイト:魔法少女リリカルなのは 背景設定
<http://www.nanoha.com/archive/prologue/background1.html>(2011年12月13日アクセス)

DVD版『Supergirl (1984)』の表紙 Watch movies http://watch-movies.ro/movie/supergirl_(1984)

バンダイ商品カタログ<http://catalog.bandai.co.jp/>(2011年12月13日アクセス)

株式会社バンダイIR・投資家情報<http://www.bandainamco.co.jp/ir/presentation/index.html>(2011年12月13日アクセス)

株式会社バンダイIR・投資家情報2005年(平成17年)3月期 決算説明会資料<http://www.bandainamco.co.jp/ir/ ... bandai/05_keisu.pdf>(2011年12月13日アクセス)

株式会社タカラトミーのIR・投資家情報『2011年(平成23年)3月期』決算説明会資料<http://www.takaratomy.co.jp/ir/f ... /11_setsumei_03.pdf>(2011年12月13日アクセス)

株式会社バンダイIR・投資家情報事業等のリスク<http://www.bandainamco.co.jp/ir/manage/risk.html>(2011年12月13日アクセス)

野口智雄・大ヒット「プリキュア」に学ぶ 子どもマーケット攻略法 - PRESIDENT - プレジデント
< http://www.president.co.jp/pre/b ... 100830/15981/15986/>(2011年12月13日アクセス)

株式会社カラレ調査・2011年版 新小学1年生の「将来、就きたい職業」<http://www.kuraray.co.jp/enquete/occupation/2011/girls.html>(2011年12月13日アクセス)

今までにない新しい魔法少女アニメが登場か、「魔法少女まどか★マギカ」公式サイトオープン – GIGAZINE<http://gigazine.net/news/20101029_puella_magi_madoka_magica/> (2011年12月13日アクセス)

毎日新聞デジタルまどか☆マギカ:ヒット生んだ緻密な計算「魔法少女」の常識覆す<http://mantan-web.jp/2011/04/27/20110427dog00m200015000c.html> (2011年12月13日アクセス)

毎日新聞デジタルまどか☆マギカ:ヒット生んだ緻密な計算「魔法少女」の常識覆す<http://mantan-web.jp/2011/04/27/20110427dog00m200015000c.html> (2011年12月13日アクセス)

毎日新聞デジタル 魔法少女まどか☆マギカ : BD2巻が初週5万4000枚でテレビアニメ最高記録を更新<http://mantan-web.jp/2011/06/01/20110531dog00m200047000c.html>(2011年12月13日アクセス)

コミックナタリー「まどか☆マギカ」劇場アニメ化、ニュータイプに特集掲載<http://natalie.mu/comic/news/59391>(2011年12月13日アクセス)

虚淵玄が1月22日ツイッターでの発言よる<http://twitter.com/#!/Butch_Gen/status/28505892680892416>(2011年12月13日アクセス)

WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第121回 ロリコンブーム<http://style.fm/as/05_column/365/365_121.shtml> (2011年12月13日アクセス)


綾瀬はるか主演「ひみつのアッコちゃん」実写映画化! (映画.com) - Yahoo!ニュース<http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111005-00000006-eiga-movi >(2011年12月13日アクセス)

パワーパフ ガールズ 番組詳細 カートゥーン ネットワーク <http://www.cartoon.co.jp/cn_programs/view/00125>(2011年12月13日アクセス)
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发表于 2011-12-10 15:46 | 显示全部楼层
楼主也是日文专业吧
其实我也想写类似这样的毕业论文,可是学校要求要有3分一是文献引用,结果想写也不知道去哪找资料
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发表于 2011-12-10 15:49 | 显示全部楼层
Ctrl+F了一下,没发现废怯
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发表于 2011-12-10 15:54 | 显示全部楼层
引用第11楼newise于2011-12-10 15:49发表的  :
Ctrl+F了一下,没发现废怯
lz老师还没填第四章的坑呢..
lz加油!
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 楼主| 发表于 2011-12-10 15:55 | 显示全部楼层
引用第11楼newise于2011-12-10 15:49发表的  :
Ctrl+F了一下,没发现废怯
2010年代に入り、ある作品の影響で、魔法少女アニメがまた新しい話題を呼んだ

别着急……
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发表于 2011-12-10 15:57 | 显示全部楼层
恳请务必出中文版
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发表于 2011-12-10 16:00 | 显示全部楼层
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发表于 2011-12-10 16:01 | 显示全部楼层
LZ我挺想看你最后几章的内容……
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发表于 2011-12-10 16:15 | 显示全部楼层
mark一下,老师加油填坑。
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发表于 2011-12-10 16:30 | 显示全部楼层
赶紧mark、老师请务必加油
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发表于 2011-12-10 16:32 | 显示全部楼层
那啥,这种论文也能通过?
然后找谁来给你答辩?
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发表于 2011-12-10 16:32 | 显示全部楼层
前2章看完,我發現我只聽說過花仙子....我真是太弱了
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发表于 2011-12-10 18:18 | 显示全部楼层
这类文章今年冒出不少
坐等老湿的完成版
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 楼主| 发表于 2011-12-10 18:50 | 显示全部楼层
引用第20楼xiaohao123于2011-12-10 18:18发表的  :
这类文章今年冒出不少
坐等老湿的完成版
因为今年的魔法少女马多卡的缘故,日本这边也出了不少类似的资料。
国内可能也是跟这个风吧。
也有可能是直接翻译的?
没看到,所以不太清楚。
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发表于 2011-12-10 18:50 | 显示全部楼层
渐渐变得精彩了,mark一记
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发表于 2011-12-10 18:57 | 显示全部楼层
想起了《二次元研究》里面的魔法少女的专题文,先mark一下,回头对比着看看
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发表于 2011-12-10 18:58 | 显示全部楼层
恳请务必要出中文版啊
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发表于 2011-12-10 19:08 | 显示全部楼层
求中文版啊...
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发表于 2011-12-10 19:41 | 显示全部楼层
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发表于 2011-12-10 19:48 | 显示全部楼层
引用第15楼ahkrhe于2011-12-10 16:01发表的  :
LZ我挺想看你最后几章的内容……
纯引
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发表于 2011-12-10 20:22 | 显示全部楼层
必须结合萌战啊
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发表于 2011-12-10 20:27 | 显示全部楼层
等着看后面的 LZ加油
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发表于 2011-12-10 20:32 | 显示全部楼层
毕业论文写这个真的没问题吗?
请务必要出中文版啊
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发表于 2011-12-10 21:37 | 显示全部楼层
毕业论文写的爱手艺老师和克苏鲁的淡定路过
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发表于 2011-12-10 21:44 | 显示全部楼层
题目定这个沒问题? 你们老师什么都沒说嘛.....还有中间发表的时候其他老师会认可嘛...
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发表于 2011-12-10 22:24 | 显示全部楼层
我便又想起國內寫卒論時那些該死的所謂文獻要求
LZ Fight!
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发表于 2011-12-11 00:39 | 显示全部楼层
mark,期待楼主写完。
作文论文来说怎样不谈www这么一篇整合好的魔法少女史真是好看啊www
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发表于 2011-12-11 01:29 | 显示全部楼层
不错,期待后续
中间介绍了很多动画,然后导出共通点,说明这个时代动画的特点,感觉重心都到了动画介绍上。
如果先说出特点,再用各个动画进来例证,更能凸显出这个时代动画的特点,整篇也更能突出随着时代,动画特点的演变。
个人观点,供参考。
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发表于 2011-12-11 01:38 | 显示全部楼层
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发表于 2011-12-11 01:43 | 显示全部楼层
凭空吐个槽……这种严谨求证出1234的论文日本人接受得了么?最后加上一句"我也不能确定自己的严谨性和合理性,也许别人会有不同的见解也未可知"比较适合他们……
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发表于 2011-12-11 02:00 | 显示全部楼层
如果真想学术点建议在符号化和意义引申部分多写点自己的分析,或者在论述这类动画发展的时候结合国内外文化社会环境影响以及美学观念和制作手法变迁的影响多写自己的探讨,否则论文到最后很容易蜕变成一篇简介,而introduction无论作为本科还是研究生论文都无法获得良好评价的,因为它缺乏originality,严格上不能作为学术论文
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发表于 2011-12-11 03:41 | 显示全部楼层
但日本人能接受的论文往往就是只摆事实不讲道理的啊……
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