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[求翻译]天元世界观解说:施线幻视行

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发表于 2007-8-22 14:32 | 显示全部楼层 |阅读模式
(google到的123翻译在7楼)

第一回「地下での暮らし」

 ひと筋の光も差さない、地中奥深くでの“生活”。それが果たしてどんなものか、あなたに想像できるだろうか? ――いや、きっとできないであろう! 地面に穴ぐらを掘り、まるでモグラのように息を潜めて生きる。その暮らしぶりたるや、太陽の下でのうのうと暮らすわれわれには、到底考えもつかないほど過酷なものである。
 人々の生活の中心となっていたのは“地下集落”と呼ばれる、居住区であった。この“集落”は、地下約100メートルほどのところに掘り開けられた巨大な穴であったが、その規模は地区によってまちまちである。100人以上の住人をかかえる“大集落”もあれば、10人にも満たない人々が肩を寄せ合って暮らす“矮集落”もあった。もちろん、集落自体の広さも、その人口に大きく左右されていたと思われる。
「思われる」と書いたのは、ほかでもない。多くの記録が歴史の闇に紛れてしまったためである。残されたわずかな物証から、当時の暮らしを想像することは、化石から恐竜の姿を再現しようとする、無謀な試みに近い。特に、“穴”そのものがいかにしてできあがったのかは、まったくといっていいほど不明である!
 しかし、困難な研究を重ねるに従い、われわれは少しずつ、彼らの苦難に満ちた暮らしの一端を明らかにしつつある。
 まず、多くの“集落”を運営していたのは、「村長」と呼ばれるリーダーであった。また男女による役割分担はなく、それぞれの村人が「能力に応じて、必要な仕事を分担して行う」――いわば「原始的な(素朴な)社会主義制度」とでも表現可能な、社会体制が敷かれていたようである。
 ……このように書くと読者の方は、小規模なコミュニティによって運営される、一種のユートピアを想像するかもしれない。しかし、実態は断じて否である! 彼らの暮らしは「悲惨」のひと言であった。特に問題となったのは、生死の根幹――食料の確保であった。

 ここでは、最も研究が進んでいる「ジーハ村」を例に、その実態を見てみることにする。「ジーハ村」では、ブタモグラ――(名前の通り)ブタとも、モグラともつかない動物――の家畜化に成功していた。非常に栄養価が高いこの食用動物は、生きていくために必要な栄養素を、すべてまかなうことができる、驚くべき家畜(!)であった。
 とはいえ、食用に適した動物はわずか一種類。食卓を彩る野菜や惣菜の類いは存在しない。そのなんと貧しいことか! しかも多くの“集落”は、ブタモグラほどの効率的な家畜を手に入れられなかったのだから、あとは推して知るべしである。
 また、ブタモグラの活用は、食料のみにとどまらなかった。
 身に着ける衣類にはブタモグラの皮を利用し、また必要な電力もブタモグラの老廃物から作られていた。まさに「ブタモグラ様々」、ブタモグラに100%依存して、彼らは暮らしていたのである!
 食料に次いで、人々の頭を悩ませたのは、水であった。水は貴重品であり、必要最低限の使用・摂取は厳しく制限される。ジーハ村の底部には、用水池が設けられていたが、これはあくまで生活用のもの。入浴などはもってのほかであった。
 ジーハ村の場合、ここでもブタモグラが活用されている。そう、裸でブタモグラの群れに飛び込み、身体の垢や汚れを舐め取ってもらうのである! 身体が清潔にするだけにとどまらず、ブタモグラの食料源にもなる! ジーハ村の人々にとって――驚くべきことに、入浴は生きていくために必要な手段であったのである。
 また武器庫跡に作られたらしきとある集落では、かんしゃく玉を身体にぶつけ、その衝撃で垢を取る……といった、目を疑うような風習も存在していたという。
 以上に見てきたように、地下での暮らしは、今のわれわれから見れば、非常に原始的かつ想像を絶するものである。
 しかも、さまざまな要因により、地上へと住処を移した人々を待っていたのは、地下での暮らし以上に苛酷な環境であった。……が、それについて詳述するには、紙幅が尽きた。これについては、また別の機会に譲ることにしよう。



第二回「アニマルウォッチングへのいざない」

  頭上より照りつける強烈な日差し。緑のサバンナが、ゆらゆらと蜃気楼に揺れている。湧き水のまわりに集まり、気の向くままにのんびりと水浴をする動物たち。ふと、目を上げると鳥らしき群れが、西の空へ羽ばたいていくのが見える……。
 一見のどかに見える、大平原の光景。だがしかしその実態は、非常に苛酷な――まさに“食うか食われるか”の、生存競争の場所である。
 例えば、今まさにわれわれの上を横切っていく鳥の一群。その姿をじっくりと観察してみよう。すると、彼らは鳥ではなく、むしろタヌキと呼ばれる哺乳類にそっくりだ。彼らの名称は「トビタヌキ(1)」。大きな両手で玉袋を掴み、それを翼代わりにして、ふわりふわりと空を飛ぶ、実にユニークな習性の持ち主だ。外見はいかにもかわいらしいが、油断して近づくのは大変危険。その性格は、獰猛にして勇敢。しかも肉食獣である彼らは、100羽ほどの大群を形成し、獲物を見つけるとすかさず急降下。一斉に飛び掛る様は、まさに“野生”の厳しさを感じさせる光景だ。
 そんなトビダヌキにとって、格好の獲物となっているのが「チビウシノクビ(2)」の一群。大きさは、モルモットくらいの小型の動物だが、一見したところ“骨付き唐揚げ”のようにも見える。しかも、その肉は実に美味! 頭部の皮をプルンと剥き、そのまま生で食べるのが一番おいしいが、火で軽く炙ってから食すのもまた格別。おとなしい性質ゆえに、ほかの肉食獣の標的になりやすい「チビウシノクビ」だが、その分、自分たちを狙う捕食者に対しては非常に臆病でもある。逃げ足の速さでいけば、地上の動物のなかでもベスト5に入るだろう。
 足の速さで言えば「オイコミサギ(3)」も負けていない。そのスピードは、なんと時速60km以上(普通自動車とほぼ同じスピード)。イメージとしては、ダチョウが一番近く、またダチョウ同様に“飛べない鳥”であることも大きな特徴だ。しかし、何よりユニークなのは、その感覚処理の方法。外見からもわかるように、彼らには目や耳といった感覚器官が存在しない。では、外界の情報を何で受け取っているのか? ……答えは、口から垂れている大きく、二股にわかれた舌(ちなみに名称は、この二枚舌から来たと推測される)。口から『オレオレ』という鳴き声を発し、跳ね返ってきた音波を巨大な舌で感じ取る――この舌はいわば、コウモリの\"超音波\"と似たような機能を持っているのである。その音波探知能力は非常に高く、一度、捕捉した対象は決して逃さないという。まったくもって規格外の生物だ。
 オイコミサギにも負けない、俊足の持ち主が「ナキバシリ(4)」。ムクムクとした白毛が美しいこの中型の生き物は、非常な俊足で知られており、また人間たちのなかには、彼らは乗り物として使う者もいる。
 そのコントロールを行っているのが、お尻の先についている、通称“ケンギ玉”と呼ばれる部位。この部分を握る強さでスピードを、またケンギ玉を左右に倒すことで進行方向をコントロールすることができる。ちなみに、目から流している“涙”は、目を保護するための潤滑油のようなもの。つまり、走るスピードが速くなればなるほど、流す涙の量が増えるのである。一見すると、悲しみに暮れているように見えるが、けしてそういうわけではないようだ。
 さて今度は、視線をオアシス――数多くの動物たちが集う、憩いの場へと移してみよう。
 大きな口をカパーッとあけ、ダラダラと涎(らしきもの)を垂らしているのは「ヌメリブドウカバ(5)」。そばに寄ると、非常によい匂いを漂わせており、広いサバンナでもわりと見つけやすい種類の動物のひとつだ。しかし、油断しているとその大きな口でパクリと噛み付いてくる。観察の際には十分な注意が必要だ。また、普段は比較的穏便な性格の持ち主だが、一度怒り出すと、体についたブドウの房部分が真っ赤に変色。さらには、それを撃ち出してくるので、非常に危険である(房のなかの肉は、怒りとともに強酸性の液体に変化する。その酸はガンメンの装甲さえ溶かすほどである)。また、共生している鳥は、身体の房をつつくことで、ヌメリブドウカバのストレスを発散させている。鳥の数が少なくなったヌメリブドウカバを見かけたら、絶対に近づいてはいけない。

 さて、オアシスにある湖に目を転じると、そこには、なんとも不機嫌そうな顔をした生き物の群れを見ることができる。彼らの名前は「サカナダカナンダカ(6)」。一見、魚類のように見えるが、実はナンダ科の生き物。同じナンダ科の生き物には、身体がガリガリの骨になってしまった「ヤセホソリサカナダカナンダカ」が存在する。
 この奇妙な動物の生態はほとんど解明されていない。頭部がまるで人間の顔のように見える理由として、かつてリストラされて困ったお父さんが海に飛び込み、その怨念が宿ったため……という民間伝承が残されているが、真実は不明である。
 地上の生き物には、この「サカナダカナンダカ」と似たような、伝承が残っているものも多い。ウサギとワニが合体したような大型動物「シロスナワニウサギ(7)」も、そうしたもののひとつ。その性格は極めて凶暴で、そばに近寄ってきたものにすぐさま飛び掛るほどの暴れん坊である。そのあまりに凶悪な性格から、「かつてワニを踏んで海を渡ったウサギの怨念が、この動物を生み出した」などという伝承が、まことしやかに流されているが、もちろん常識で考えれば、到底真実とは思えない話である。
 以上に見てきたように、地上の生き物たちは、私たちの常識からかけ離れた世界に住んでいる。多くの生態は謎に包まれ、われわれの理解を拒んでいるようにさえ、思えることもしばしばだ。大自然に触れ、そこで生きる動物たちの、驚異に満ちた生活をウォッチングするということ。それはつまり、いまだ理性では理解し尽くせない、世界の本当の姿を知る……ということと、同義なのかもしれない。



第三回「ハイテクノロジーが彩る“死の世界”と“村渡り”の伝承」

 数々の偉大な小説をものにした、とある小説家はこう書き残している。「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」。いやはや、またくその通り! もしヴィクトリア朝の人々がテレビモニターに映し出された映像を見たとしたら、きっと“いったい何の呪術か!?”とうろたえることだろう。つまり、テクノロジーとは、それを知らない人にとっては、驚異以外の何物でもないのである。
 私たちの目の前に広がっているのは、一面に焼け爛れた無人の荒野である。が、しかし! その地中深くには、かつてこの地に栄えていたと思われる、文明の欠片が今も数多く眠っている。
 そして――獣人の目を逃れ、息を潜めて暮らしていた人々にとって、地中に遺された古代のテクノロジーこそが、生死をわける分岐点となった。ブタモグラという優秀な食料に恵まれ、また発電施設をも備えていたジーハ村などは――その生活が、どれほど私たちの目には野蛮に見えようとも――、むしろ幸運な方だったといえる。
 その一方で、優れたテクノロジーを掘り当てた人々が、すべからく幸福な日々を謳歌していたかといえば、決してそうではなかった。ここでひとつのエピソードを紹介しよう。今はすでに姿を消してしまった、とある村の話である。
 その村には、驚くべきことに産油施設が残されていた。石油といえば、我々が知る限り、最も効率のよいエネルギー資源のひとつである。そのまま燃料にもなれば、精製し工業製品の原料として使うこともできる。当然のことながらこの村は、多くの住人で賑わい、一大歓楽街ができるほどの繁栄ぶりを見せた。
 しかし、悲劇は突然訪れる。ガンメンの襲撃である。人々の繁栄を嗅ぎつけた獣人たちが、ある日村を襲い、その村は一瞬にして灰燼と化した。生き残った数少ない住人たちは、わずかに残された石油――“燃える水”を持ち出し、逃げ延びたという。彼らは“黒の兄弟”と呼ばれるレジスタンス集団を結成し、獣人たちへの復讐を誓った……といわれるが、これはまた別の話である。
 いずれにせよ、獣人によって蹂躙されたこの世界で、人間が生きていくのは、並大抵のことではなかった。むしろ、地上に出ることは、そのまま“死”を意味していたといっても、過言ではない。
 が、そのような逆境のなかでも、果敢に地上の世界を目指す人々もまた、後を絶たなかった! そうした勇気ある人々のなかには、キャラバンを組み村から村へと渡り歩き、交易を営む“村渡り”と呼ばれる人々もいた。
 彼らは、各地方の村に残されたテクノロジーや特産物を交換することで、独自のネットワークをつくり上げ、人々の生活を下支えしていたようだ。また、さまざまな地方に残された情報や伝承を口移しに伝え、“外の世界”の広さを人々に話し聞かせて歩いたのである(その見返りとして、食料提供などを受けていたという)。
 彼らの伝え残した“伝承”には、ユニークなものがいくつもある。なかでも飛び切りのエピソードが“幻の美女村”と呼ばれるエピソードであろう。
 村の入り口にいる老婆から渡された小さなキノコを口にした旅人は、そのまま村のなかへと招きいれられる。案内されるままに村の中心へと足を踏み入れると、そこはまるで別世界。光輝くプールサイドに、ズラリと並んだ水着姿の美女たち。テーブルの上には、色とりどりの果物や珍味の数々が並べられ、まさにこの世のものとは思えない歓待を受ける。さらには、あんなサービスもこんなサービスも……! その村から帰ってきた男たちはみな一様に、肌はツヤツヤ、精力にあふれ、満面の笑みを見せていたという。
  
 ……しかし、この伝承が果たしてどの程度、真実であったかは定かではない。その存在自体が“幻”であった可能性も高く、また後にその地を訪れた調査隊によれば、汚れた沼地の周囲に年老いた老婆たちが数人住んでいただけであった、という報告もある! また似たようなものに、“生ける屍”が集団生活するショッピングモールの廃墟、という伝承もあるが、上記の“美女村”と同じく、その実在は確認されていない。
 話を元に戻そう。いずれにしろ、人々の生活は穴で掘り当てたテクノロジーによって左右された。しかも、その技術を支えているはずの理論や知識は、すでに失われて久しい(当時の識字率は約8%程度と見られている。またその村における教育の浸透度によって大きな偏りがあった)。残されたテクノロジーの多くは、高度な修復機能を備え、人々はその“使用法”しか知らなかったのである!
 しかし、それは例えばわたしたちが、コンピュータの理論を知らずに、日々、ごく当たり前のものとして、パソコンやインターネットを使っているのと同様である。故障したときの対処法(再起動する、バックアップCDから立ち上げるなど……)は知っていても、なぜそれで、機械が直るのかはわからない。冒頭のクラークの言葉を繰り返せば、「充分に発達したテクノロジーは、魔法と見分けがつかない」のである。
 そうした超=ハイテクノロジーの粋ともいえるのが、獣人たちが乗りこなしている“ガンメン”であった……。のだが、残念ながら、その詳細を語るだけの時間はなくなってしまった。また次の機会に譲ることにしよう。


第四回「螺旋王と四天王」

 天高くそびえた王都・テッペリンの、そのまた遙か高みにある玉座から地上を睥睨する男。眉間に刻まれた皺は険しく、またその瞳はこの世のすべてを倦むかのように、虚ろに澱む。彼の名はロージェノム。“螺旋王”の二つ名で知られる彼は、地上世界の王であり、また人類を地下へと押し込め続ける恐怖の源泉でもあった。
 彼の統治方針は、これ以上ないほどに明瞭である。地上に出てきた人類は、叩き潰す――ただそれだけ。穴から這い出るモグラをハンマーでポカポカ叩く、あのゲームのように。ようやく太陽の下に出てきた次の瞬間、人々にはロージェノムの魔の手が迫る。荒廃した地上世界に、すでに人類の居場所はない……。
 とはいえ、ロージェノムひとりの手でそんな圧制を敷くことなど、できようはずがない。そう、彼の恐怖支配を支え、地上に出る人々の前に立ちはだかるのが、恐るべき“獣人軍団”である。
 読者のみなさんは“獣人”という名前から、人間より知能の劣った動物の群れを思い浮かべるかもしれない。しかし実際に目撃した人は、その想像を大きく裏切られるだろう。獣のように猛々しい外見とは裏腹に、確固たる規律に従い整然と行動する彼ら。その姿は、むしろ「軍隊」と呼ぶにふさわしい。
 事実、彼らは王都テッペリンを中心に東西南北、大きく4つの部隊に分かれて、行動(=人類の地上からの排除)を行っている。
 その東方部隊を指揮するのが、螺旋王に仕える四天王のひとり“怒涛のチミルフ”であった。まるでゴリラのようにいかつい外見からは想像がつかないが、疾風怒濤の攻めを得意とし、獣人軍団が誇る武人中の武人。彼が乗り込んでいた専用のカスタムガンメン「ビャコウ」は、名前の元となった中国の伝説の獣「白虎」のごとく自在に戦場を駆けめぐり、人々を絶望の底に叩き落とした。
 しかし、そんな彼にも意外な一面があった。そう、なによりも部下を思いやる篤い心の持ち主だったのである。非番の日などは、大勢の部下たちを引き連れ、ハンティングに出かけることもしばしばであった。「トビダヌキは、狩ってすぐにその場で焼くのが美味いんだ」。……そういって大きな口を開けて笑う彼の姿を、かつての部下たちは今でも思い出すという。戦場では圧倒的な強さを誇る一方、仲間には分け隔てなく、慈愛の心を持って接する。まさに理想の上司――いや、獣人たちにとっては「兄貴」と呼べる存在だったのかもしれない。
 一方、チミルフと正反対、西方部隊の指揮を任じていたのが“流麗のアディーネ”である。四天王の紅一点ながら、その性格の激しさ、残忍さはほかの面々から疎まれるほど。失敗した部下を、その場でいびり殺したという伝説が、語り継がれるほどであった。
 西方を広い海が占めているせいか、彼女の部下たちは、海にちなんだ獣人が多い。クリクリとした瞳がかわいいイルカ型の獣人・ガイトブラッツや、水中を自在に泳ぎまわる魚雷型獣人・ゲッソー、また彼女が乗り込むダイガンカイの艦長・オクタとその補佐・ウニコの外見は、まさにタコとウニである。
 さて、そんな彼女が唯一、心を許した相手がいた。そう、前述したチミルフである。ふたりはまるで月が地球のまわりをまわるように、互いに惹かれ、語りあった。それは同じ武人としての親愛だったかもしれず、また“愛”という感情とは無縁のはずの獣人の心に芽生えた“愛に似た何か”だったのかもしれない。月明かりに照らされたテッペリンのふもと、仲睦まじく歩くふたりの姿を偶然見かけたある者は「まるで前世から通じ合っているかのようだった」と語っている。

 さて、ここで第3の男を紹介することにしよう。彼の名は“神速のシトマンドラ”――南方方面の獣人軍を指揮する、四天王のひとりである。なんといっても目を惹くのは、見る者すべての度肝を抜くド派手な格好。まるで孔雀のように美しく飾り立てた尾を広げ、口元に浮かぶのは、どこかナルシスティックな笑み。しかしその美しさは、どこか見た人をゾッとさせる冷たさが感じられる。
 が、そんな読者諸君の直感も、あながち間違いではない。なにせ彼は、獣人軍団のなかでも残虐性ではトップクラス。上空高くから、獲物となる人間を見つけだすやいなや、猛禽のごとく飛びかかり、抹殺する。しかも、鳥頭ゆえに、自分の行いを3歩歩けば忘れてしまうというのだから、まったく始末に終えないのだ。
 そして、四天王の最後のひとりは“不動のグアーム”である。彼が担当するのは、北方部隊の指揮および王都の守護。その任務の重要性を鑑みても、ロージェノムが彼をほかの四天王より重用していることがわかる。
 それもこれも彼は、ロージェノムの古くからの知人であるがゆえのようだ。ロージェノムの野望や苦悩を、ともに共有してきたからこその信頼感。ふたりの会話には、どこか男の友情のようなものを感じないだろうか? ――それは例えば、シモンとブータのような、ペットと飼い主を越えた“友”というような……。
 そして、彼の戦い方もまた、ほかの四天王たちとは真反対だ。“不動”の二つ名のごとく、動かざること山のごとし。積極的に攻勢に出ることを得意とするほかの面々とは逆に、グアームはひたすら守備を固め、同時に知略を張り巡らせる。いわば、獣人軍の頭脳。また、彼が乗り込む専用のカスタムガンメン「ゲンバー」は、現存するガンメンのなかでも、最古参のひとつ。その圧倒的なパワーを前にした人は、ただ悲鳴を上げて逃げ回るしかないという。
 ロージェノムと、その腹心の部下である四天王に率いられた獣人たち。彼らは、人々を震撼させるに足る、圧倒的な力を持っている。そして、そんな彼らが支配する地上世界は、まさに“この世の地獄”と言うほかないのである……。


第五回「歳月人を待たず」  

 時の流れは世界を変え、そしてまた人をも変える。しかし、螺旋王ロージェノムをこの世界から駆逐してのち、たった7年でこれほどまでに世界が変わってしまうとは、いったい誰が予測できたであろうか!
 今や人々は、暗く冷たい穴ぐらを捨て、燦々と輝く太陽の下で、この世の春を謳歌している。私たちの前を通り過ぎるのは、何本もの脚をスイスイと動かし、走り抜けていくガンバスやガンタク。通りを行く人々の顔は喜びに満ち、頭上高くそびえる高層ビル群の窓は、まるで人類の未来を予言するように明るく輝いている。
 ここは、世界の中心――カミナシティ! 我らが人類の「平和と繁栄」を象徴するにふさわしい、まさに都のなかの都である。かつてテッペリンと呼ばれた王都を改築し、遺されていたテクノロジーとそして何より、私たち自身の手で作り上げられたハイテクノロジーの都。人類の礎となるべき都市が、このカミナシティである!
 カミナシティに住む人口は、約30万人。その規模は、この星にある都市で最大規模である。我らが総司令・シモンを筆頭とする新政府の主要機関はもちろん、法務局や科学局、食糧局など、生活に欠かせない各種部局がこの都に存在している。……そしてまた、カミナシティは、日々生み出される新しい流行の発信基地でもある。
 この都から広まった流行のひとつといえば、苗字の採用。出身地を自分の姓にする習慣は、今ではすっかりお馴染みのもの。しかし、覚えている方も多いだろうが、当初は人民局が率先して指導にあたった、新しい制度であった。もともとの目的は正確な人口の把握だったといわれるが、そんなお題目はもちろん最初だけのこと。「苗字を名乗るのってカッコよくなくない?」と、驚くほど短期間のうちに、この習慣は人々の間に広がった。
 もうひとつ、最新の流行といえば忘れてはならないのが「トントンガンメン相撲」。小さな土俵の上で、ガンメンを模した力士たちを組み合わせ、指で叩いて戦わせるというこの最新ゲームは、今では世界レベルで大会が開かれるほどの盛り上がりを見せている。開設されたばかりのネットワークを通して、このガンメン相撲は世界各地に中継され、大人気番組のひとつになっているほどだ。
 先に交付された「ガンメン廃止令」のため、今ではすっかり街中から姿を消したガンメンだが、こうした形で子供たちの間でも受け継がれているのは、なんとも心強い。
 子供たちに大人気といえば、我らが英雄・カミナを主人公にした冒険小説シリーズも忘れちゃならないアイテムのひとつ。シリーズ総計100万部を突破! という大ヒットシリーズだが、今では、小さな子供のための絵本版も発売され、こちらも大ヒット。『カミナくんはじめてのおつかい』や『カミナくんブランコに乗る』といったタイトルを、街で見かけたという人もきっと多いハズだ。

 もしあなたが、カミナシティを訪れることがあるなら、ぜひ中央通りのそばにある「ステーキハウス」に寄ってみることをオススメしておこう。ここは、なかなか口にすることの難しい、極上のステーキを食べさせてくれる隠れスポット。その材料は、総司令・シモンの出身地としても知られるジーハ村の特産物、ブタモグラ。たっぷりぶ厚い肉と、ナイフを入れただけであふれ出る肉汁。ソース抜きで、そのままいただくのが、今もっともオシャレである。
 とはいえもちろん、私たち人類の新たな第一歩に、まったく不安がないわけではない。記憶に新しいところであれば「洗濯機事件」。
 地下から掘り当てられた新テクノロジーの「洗濯機」。しかし、当初は使い方がわからず、お風呂と間違えて使用する人が続出。グルグルまわる水槽のなかで溺れかけた者も多かった。今では、すっかり笑い話になっているこの事件だが、過去のテクノロジーを使う際には細心の注意が必要。そのことをはっきり印象づけた事件だった。
 また、地方に目を移せば、まだまだ人類に抵抗を試みる獣人たちも多い。新政府は、早期の収容や生存プラントの配置など、さまざまな融和政策を積極的に進めている。しかし、かつての支配者に対する人々の目は厳しく、なかなか進んでいないのが実情である。また、対する獣人たちのなかにも、武器やガンメンの横流しをしたり、はたまた「愚連団」を名乗って抵抗運動を繰り広げるものも少くない。
 加えて、これまで住み慣れた穴ぐらに戻ってしまう、通称「守旧派」と呼ばれる人々も、新政府の抱えた問題のひとつだ。世界人口の正確な把握という急務を果たすためにも、彼らへの積極的な働きかけが、これからも重要になるだろう。
 我々の手に戻った地上。それを二度と手離すことなく、また、たゆまぬ発展を続けるためにも、これらの問題に正面から取り組み、決して歩みを止めてはならないのである。  

[ 本帖最后由 P.PRIME 于 2007-8-22 15:18 编辑 ]
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发表于 2007-8-22 14:39 | 显示全部楼层
先MARK。


死宅社快把TOP2的大百科补掉啊。>:o
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发表于 2007-8-22 14:40 | 显示全部楼层
给个出处我自己去看
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发表于 2007-8-22 14:42 | 显示全部楼层
楼上顺着图片的地址找。
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发表于 2007-8-22 14:44 | 显示全部楼层
MARK等翻译:P
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 楼主| 发表于 2007-8-22 15:09 | 显示全部楼层
google了一下,前三回都有人翻了
第四回就找不到了

第一回
http://xs116.xs.to/xs116/07241/489.jpg
第二回
http://popgo.net/bbs/showthread.php?s=&threadid=450512
第三回
http://popgo.net/bbs/showthread.php?s=&threadid=450379

[ 本帖最后由 P.PRIME 于 2007-8-22 15:14 编辑 ]
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发表于 2007-8-22 15:13 | 显示全部楼层
懒得看日文,mark等全套……
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发表于 2007-8-22 15:17 | 显示全部楼层
为什么天元在这炒得这么热?我一看画风就受不了。
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发表于 2007-8-22 15:20 | 显示全部楼层
因为最近的热血+额头吧。
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 楼主| 发表于 2007-8-22 15:24 | 显示全部楼层
原帖由 muzimuzhen 于 2007-8-22 15:17 发表
为什么天元在这炒得这么热?我一看画风就受不了。


在废萌和捏他当道的2007年还能出现这种纯血的RoboAnime,难道还不够么?
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发表于 2007-8-22 15:47 | 显示全部楼层

【摘译】第五回 岁月不等人

カミナcity是世界的中心、首都。カミナcity的建造利用了螺旋王留下的技术。
カミナcity的居住人口为约30万。其规模是这个星球上最大的。政府的各种部门都在这里。
为了统计人口导入了新的姓氏制度(过去是将出生地作为自己的姓)
发布了《颜面废止令》,模仿颜面形象的相扑游戏很热门
カミナ的冒险小说热卖超过100万部
シモン家乡的猪鼹成为名料理
洗衣机被发现时因为不懂得使用方法,被当成洗澡的设备导致多人溺水。
各地还有很多反抗人类的兽人,新政府设立了收容和生存设施,并采取积极地融合政策。但是人民对于过去的统治者态度并不好,融合政策进展并非顺利。对此兽人通过非法途径搞到颜面,以「愚連団」为名进行抵抗活动。
希望住会习惯了的洞穴的“守旧派”也是新政府的问题之一。为了正确统计世界人口,需要更加积极地对他们进行工作。

[ 本帖最后由 impact 于 2007-8-22 16:44 编辑 ]
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